11月14日 (日) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 0 0 2 0 0 0 0 4 阪急 16勝24敗2分 0.400 宮武三郎
2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 金鯱 19勝22敗 0.463 鈴木鶴雄
勝利投手 宮武三郎 1勝0敗
敗戦投手 鈴木鶴雄 8勝7敗
二塁打 (阪)山下実 (金)黒澤、平川、鈴木
三塁打 (金)江口
両雄並び立つ
投手難に泣く阪急は老練宮武三郎をマウンドに送る悲愴。
阪急は初回、先頭の西村正夫が左前打、黒田健吾の二ゴロをセカンド江口行男が失して無死一二塁、山下実三振、山下好一の遊ゴロで黒田が二封となるが一塁はセーフ、更に快足西村が三塁を蹴ってホームを狙うとファーストスリム平川喜代美のバックホームが悪送球となり1点を先制してなお二死二塁、ジミー堀尾文人が中前にタイムリーを放って2-0として宮武を援護する。
金鯱は1回裏、二死後矢野槇雄が右翼線にヒット、黒澤俊夫も右翼線に二塁打を放ち二死二三塁、宮武のワイルドピッチで1-2、小林茂太四球で二死一三塁からダブルスチールを決めて2-2の同点に追い付く。宮武は暴投と重盗による失点と、まだ投手勘が戻って無いようである。
2回~4回を1安打で終えた阪急は5回、先頭の大原敏夫が中前打、西村四球、黒田の捕ゴロで一死二三塁、ここで山下実が右中間に決勝の二塁打を放って4-2とリードする。
宮武三郎は2回以降金鯱打線を無得点に抑えて6安打5四球1三振の完投で今季初勝利。翌日の読売新聞は「職業野球に参加して以来彼最初の完投勝利であろう」と伝えている。宮武は慶應義塾大学時代、長嶋に破られるまで東京六大学野通算ホームラン記録であった7本塁打を記録すると共に、投手としても通算38勝を記録している。阪急入団時は既に29歳であり、しかも山下実とは両雄並び立つところが無かったことから、プロでの実績を語られることはこれまでほとんど無かった(Wikipediaでも紹介されているのは大学時代が大半である。)が、プロでの活躍ぶりについては、大袈裟ではなく当ブログが再発掘したと言っても過言ではないでしょう。
この日は宮武が完投して山下実が決勝タイムリーを放ち、慶應義塾大学黄金時代を支えた両雄による勝利となった。
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