11月14日 (日) 甲子園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 0 0 1 0 1 3 ジャイアンツ 28勝15敗 0.651 前川八郎
1 0 3 0 1 0 0 0 X 5 タイガース 34勝8敗1分 0.810 西村幸生
勝利投手 西村幸生 14勝3敗
敗戦投手 前川八郎 2勝4敗
二塁打 (ジ)中島 (タ)伊賀上、藤井
三塁打 (ジ)中島、白石、筒井 (タ)松木
タイガース優勝!
タイガースは初回、先頭の松木謙治郎が右中間に三塁打、藤村富美男がセンター右にタイムリーを放って1点を先制する。ジャイアンツは2回、先頭の中島治康が右中間に三塁打、一死後永澤富士雄の二ゴロの間に生還して1-1の同点とする。
タイガースは3回、先頭の松木が右前打で出塁、藤村の遊ゴロで松木が二進、山口政信の投ゴロに松木が飛び出し二三塁間でタッチアウト、しかしこの間に山口が二塁に進んだことが生きてくる。景浦将は四球(当然敬遠か敬遠気味であったと想像できる。)、ここで藤井勇がセンター左に決勝タイムリーを放ち2-1、伊賀上良平が右中間を抜いて二者還り4-1とする。更に5回、山口、景浦の連打と藤井四球で満塁とし、伊賀上が押出し四球を選んで5-1とする。
リードを奪うと西村幸生の投球は生きてくる。ジャイアンツは7回、白石敏男の三塁打を前川八郎の遊ゴロで還して1点、9回には平山菊二のヒットと筒井修の右越え三塁打で1点を返すが、結局、タイガースが5対3でジャイアンツを破り、昭和12年秋季リーグ戦の優勝を決定する。
西村幸生は13安打1四球7三振の完投で14勝目、MVPの最有力候補(実際は選出されなかったが)である。ジャイアンツは二番筒井修が5打数3安打、四番中島治康が4打数4安打、七番白石敏男が4打数2安打、九番内堀保が4打数2安打で合計13安打を放ちいくらでも得点のチャンスはあったが、初回5-4-3、二回6-4-3、八回4-6-3と三つの併殺が響き3点止まりであった。
タイガースは終盤に来てセカンドに藤村富美男を固定してから更に安定味を増してきた。本日はどちらかというと守り勝ちの試合であった。更に、3回の挟殺プレーで松木が巧く時間を稼ぎ山口を二塁に進塁させたことが勝因であり、豪打、投手陣、守備力、試合巧者振りで他を圧している。
春は歯が立たなかった澤村栄治を打ち崩し、ジャイアンツ戦は7戦全勝であった。春季リーグ戦終了後の読売新聞誌上の座談会でジャイアンツ藤本定義監督が「タイガースは若林を使ってこなかったので助かった。」と手の内をばらしてしまったことも影響したであろう。タイガースは若林をジャイアンツ戦のローテーションの中心に据えて先発回数は若林が4回、西村が3回である。
タイガースはこれで34勝8敗1分、ジャイアンツは28勝16敗(10月27日のセネタース戦は現在聯盟に提訴中であり、この時点においては敗戦として認識されていた。当ブログでお伝えしている通算記録からは引いてあります。)であり、残り試合にタイガースが全敗しても34勝14敗1分でジャイアンツが全勝しても33勝16敗(提訴中の試合が再試合となりセネタースに勝っても34勝15敗)となることからタイガースの優勝が決定した。提訴中の試合の取扱いが微妙であったため、今シーズンはマジックナンバーの算出はしませんでした。
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