１６年 巨人vs名古屋 ５回戦

7月15日 （火） 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
5 0 0 0 0 1 0 1 0  7 巨人     31勝9敗 0.775 澤村栄治
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 名古屋 18勝22敗 0.450 松尾幸造 西沢道夫

勝利投手 澤村栄治 5勝2敗
敗戦投手 松尾幸造 0勝3敗

二塁打　（巨）川上、水原、平山
本塁打　（巨）白石　2号

勝利打点　川上哲治　8

ファインプレー賞　（巨）水原茂　10　（名）桝嘉一　2、3


澤村栄治、今季4度目の完封

　巨人は初回、先頭の呉波が四球からパスボールで二進、水原茂も四球、千葉茂は右飛に倒れて一死二塁、ここで川上哲治が左中間に痛烈な二塁打を放って二者還り2点を先制、中継の乱れを突いて川上も三塁に進む。名古屋ベンチは早くも先発の松尾幸造を下げて西沢道夫を投入、中島治康は三振に倒れるが吉原正喜の三ゴロをサード大沢清がエラーする間に川上が還って3-0、白石敏男がレフトスタンドにツーランホームランを放って5-0とする。

　巨人は6回、先頭の吉原が中前打を放つが盗塁に失敗、白石が三振に倒れ平山が四球から捕逸で二進、澤村栄治が中前にタイムリーを放って6-0とする。

　巨人は8回、先頭の吉原が二遊間に内野安打、白石の遊ゴロの間に吉原が二進、平山の右中間二塁打で7-0とする。

　名古屋では桝嘉一がセンターの守備でファインプレーを連発した。


　澤村栄治は5安打1四球4三振で今季4度目の完封、5勝目をあげる。唯一のピンチは3回、先頭の石丸進一が中前打、続く西沢道夫が左前打、トップに返り木村進一が送りバントを決めて一死二三塁、桝を遊飛に打ち取り二死二三塁、大沢は四球で二死満塁、吉田猪佐喜を遊飛に抑える。7回以降は三者凡退に抑えた。


　翌日の読売新聞は「絶好の制球力を利して快速球とドロップの配球巧みに名軍の打力を抑え」と伝えている。昭和15年以降の澤村は腕が下がってサイドスローになったと言われているが、このところの読売新聞の論評ではドロップの冴えが伝えられている。タテ振りの投球フォームが戻ってきていると見るのが妥当ではないでしょうか。




　　　　　　　　　　　　　＊澤村栄治は99球で今季4度目の完封、5勝目をあげる。