10月2日 (土) 西宮
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 イーグルス 8勝9敗1分 0.471 畑福俊英
0 1 0 0 0 2 0 0 X 3 ジャイアンツ 11勝7敗 0.611 澤村栄治
勝利投手 澤村栄治 3勝3敗
敗戦投手 畑福俊英 6勝7敗
本塁打 (ジ)水原 1号、 伊藤 3号
澤村復活!15奪三振!
澤村の秋季リーグ戦での不振は7月の徴兵検査で甲種合格したことによる焦燥、恋人(後の優子夫人)との恋愛問題など精神面によるものと伝えられているが、春季リーグ戦の反動と見るのが妥当ではないか。野口明も秋の序盤戦は不振、春の首位打者松木謙治郎も不振が続いている。本日は春とは見違えるチームに成長したイーグルスを相手に快心のピッチングを披露。案外、前川八郎の協力により優子さんとうまくいくことになったからかもしれない(文才のある前川が澤村のラブレターの代筆をしてあげていた。)。
ジャイアンツは2回、水原茂がレフトスタンドにホームラン、6回にも澤村の恩人、三番セカンド前川八郎が中前打で出塁すると伊藤健太郎がレフトに大ホームランを放って3-0。
9月25日以来の登板となる澤村栄治は初回からエンジンフル回転、1回から3回まで1イニング2個ずつの三振を奪いパーフェクト。4回一死後杉田屋守の当たりが右前に抜けて初ヒットを許すが続くバッキー・ハリス三振、二盗を試みた杉田屋もキャッチャー内堀保の送球に刺されて三振ゲッツー。5回も先頭のサム高橋吉雄の当たりが左前に抜けるが続く小島利男は6-4-3のゲッツー。6回は漆原進、辻信夫、畑福俊英から三者三振。
7回は二死後ハリスに初四球を許すが続く高橋を三振、8回も2三振、9回も代打太田健一、畑福を連続三振、28人目の寺内一隆をライトフライに打ち取ってゲームセット。5回を除く毎回の15奪三振、杉田屋守を除く全員三振(代打の太田を含め9人から三振を奪う。)。翌日の読売新聞によると2本のヒットもクリーンヒットでは無かったという。二度のノーヒット・ノーランや洲崎決戦と並ぶ、あるいはそれ以上のプロ入り最高のピッチングであった。
*写真は昭和9年全日本時の澤村のサイン
*このサイニングでは、澤村は青柴憲一の隣に書き込んでいます。当時京都商業を中退したばかりの澤村にとって、立命館大学で快速球投手として鳴らした青柴は地元の英雄であり、あこがれの存在だったのです。
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