10月4日 (日) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 計
0 0 0 0 0 1 0 2 0 0 0 3 阪神 40勝38敗5分 0.513 御園生崇男 若林忠志
0 0 0 0 1 0 0 0 2 0 1X 4 巨人 55勝24敗4分 0.696 藤本英雄 須田博
勝利投手 須田博 17勝6敗
敗戦投手 若林忠志 18勝12敗
二塁打 (神)藤井2、乾 (巨)坂本、多田
三塁打 (巨)白石、坂本
勝利打点 伊藤健太郎 6
坂本茂、‟走守”に活躍
翌日の読売新聞が「藤本は完全に御園生に投げ敗けた」と伝えているように、藤本英雄は9回まで投げて阪神打線に10安打を許した。この試合も「飛ぶボール」が使われていた可能性がある。
阪神は5回まで3安打を放ったが無得点。4回は併殺でチャンスの芽を潰し、5回は先頭の御園生崇男が左前打で出塁するが、野口昇の送りバントは一邪飛となって失敗、乾国雄も送りバントを試みるがこれも一邪飛、三輪裕章は右飛に倒れて走者を送れずスリーアウトチェンジ。
巨人は5回裏、一死後藤本が中前打で出塁、スコアカードの記載によると続く小池繁雄の捕邪飛で一走藤本が二進し、キャッチャー田中義雄の二塁悪送球の間に藤本が三進した。小池のキャッチャーファウルフライで藤本はタッチアップからスタートを切り、田中の悪送球を誘ったことになる。二死三塁となって多田文久三のレフト線二塁打で藤本が還り1点を先制する。
阪神は6回、二死後山口政信が中前打で出塁、藤井勇の右中間二塁打で山口が一塁から一気に生還、阪神は帰還兵の三四番コンビによる快打で1-1の同点に追い付く。
阪神は8回、先頭の塚本博睦が中前打で出塁すると二盗に成功、二番田中が送って一死三塁、山口の左前タイムリーで2-1と勝越し、藤井が又も右中間を破り一走山口が快足を飛ばしてホームを駆け抜け3-1とリードを広げる。
阪神は9回、一死後乾が左中間に二塁打、しかしここは藤本が踏ん張り三輪裕章は中飛、トップに返り塚本は遊ゴロに倒れて無得点。
巨人は9回裏、永沢富士雄に代わる代打林清一がピッチャー強襲ヒットで出塁、坂本茂が中越えに三塁打を放って2-3、藤本の左犠飛で3-3と同点に追い付く。
同点に追い付いた巨人は10回から須田博を投入。ここで巨人藤本定義監督が名采配を見せた。9回にサード小池の代打に出た伊藤健太郎をレフトに入れ、レフトの青田に代えて須田を入れてピッチャー、藤本が降板したところにサード三好主を入れる。代打の林はそのままファースト。須田は10回、11回を三者凡退に退けた。
巨人は10回裏、先頭の呉波が二塁に内野安打、阪神ベンチはここで先発の御園生が降板して若林忠志監督がリリーフのマウンドに立つ。青田に代わって二番に入った須田の投前送りバントは若林が二塁に送球して快足呉を二封、白石敏男、中島治康は連続遊ゴロに倒れてこの回無得点。
巨人は11回裏、先頭の林の当りは一ゴロ、ファースト門前真佐人からベースカバーに入った若林に送球されるが若林は落球、9回に殊勲の三塁打を放った坂本は四球を選んで無死一二塁、三好の投前送りバントを若林が三塁に送球して二走林は三封、巨人はここでダブルスチールを敢行、一死二三塁となって伊藤がライトにサヨナラ打を放ち逆転勝ち。
青田を下げてまで残した伊藤がサヨナラ打を放った。前日の朝日戦ではことごとく起用が裏目に出て大敗したが、藤本定義監督としては快心の起用となった。
藤本英雄はこの年10勝0敗で勝率10割を記録することとなるが、この試合は負け投手になる可能性が高かった。それを救ったのが坂本茂の三塁打である。坂本は11回には三盗を決めて決勝のホームを踏む活躍であった。
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