10月3日 (土) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 大洋 48勝28敗5分 0.632 野口明 重松通雄
0 0 0 0 0 1 3 0 X 4 阪神 40勝37敗5分 0.519 若林忠志
勝利投手 若林忠志 18勝11敗
敗戦投手 野口明 0勝1敗
勝利打点 野口昇 2
野口明、5年ぶりの登板
大洋は野口明が先発。野口明の登板は昭和12年以来のこととなる。打っては四番に入り、「四番ピッチャー野口明」。
阪神先発の若林忠志は安定した投球で4回まで三者凡退を続けるパーフェクトピッチング。5回、二死後浅岡三郎に初安打を許すが、佐藤武夫を遊飛に打ち取る。6回、先頭の祖父江東一郎に左前打を許し、宇野錦次は三振に打ち取るが、トップに返り中村信一に中前打を打たれて一死一二塁とこの試合初めてのピンチ、しかし濃人渉を浅い中飛、野口二郎を二ゴロに打ち取る。
5年ぶりのマウンドに上がった野口明は5回まで阪神打線を無得点に抑える。
阪神は6回、先頭の山口政信が四球を選んで出塁、藤井勇は左飛に倒れるが山口は二盗に成功、門前真佐人も四球を選んで一死一二塁、若林は右飛に倒れて二死一二塁、野口昇が左前にタイムリーを放ち1点を先制する。
阪神は7回、一死後塚本博睦の遊ゴロをショート濃人がエラー、この日二番に入ったカイザー田中義雄が左前打を放ち一死一二塁、山口が四球を選んで一死満塁、藤井の二ゴロでセカンド宇野はバックホームするがセーフ、野選が記録されて2-0としてなお一死満塁、門前が追撃の2点タイムリーを左前に放って4-0として試合を決めた。
野口明は7回で降板し、8回から重松通雄が登板する。
若林忠志は7回以降の3イニングを三者凡退に抑え、3安打無四球3三振で今季2度目の完封で18勝目、三者凡退は7度を記録した。
野口明から決勝打を放って勝利打点を記録した野口昇について、翌日の読売新聞に掲載された鈴木惣太郎の論評は「強肩を利した野口(阪神)の遊撃大活躍は素晴らしかった」と論じている。野口昇はこの試合6個の補殺を記録している。
野口明は昭和12年春季リーグ戦において、全盛期の沢村栄治 にも見劣りしない投球を見せた。当ブログが選出する12年春の月間MVP投手部門は、第一期・沢村栄治 、第二期・西村幸生、第三期・野口明、第四期・沢村栄治であった。(12年春は約1ヶ月毎に第一期~四期のスケジュールで行われました。)
*若林忠志は3安打完封、野口明は5年ぶりの登板であった。
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