2015年9月12日土曜日

17年 阪神vs大和 12回戦


9月28日 (月) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 1 3 0 0 0 0 0 0 5 阪神 39勝36敗5分 0.52 玉置玉一 木下勇 渡辺誠太郎 御園生崇男
1 1 0 0 0 3 0 1 X 6 大和 20勝50敗9分 0.286 畑福俊英 石原繁三
 
勝利投手 石原繁三     14勝21敗
敗戦投手 御園生崇男 11勝11敗

二塁打 (神)藤井、塚本、野口
三塁打 (神)藤井

勝利打点 木村孝平 3

猛打賞 (神)塚本博睦 3、藤井勇 2 (和)木村(4安打) 4


木村孝平5打数4安打

 阪神は初回、一死後御園生崇男が左前打で出塁、カイザー田中義雄の三ゴロをサード鈴木秀雄がエラー、ダブルスチールを決めて一死二三塁、四番・山口政信の遊ゴロの間に三走御園生が還って1点を先制する。

 大和は1回裏、一死後木村孝平が二遊間に内野安打、金子裕の投ゴロの間に木村は二進、木下政文の右翼線タイムリーで1-1の同点に追い付く。

 阪神は2回、先頭の藤井勇がライト線に二塁打、門前真佐人は四球を選んで無死一二塁、玉置玉一の投ゴロは「1-4-3」と渡ってダブルプレー、二死三塁となって野口昇が左前にタイムリーを放ち2-1と勝ち越す。

 大和は2回裏、一死後鈴木が四球から二盗に成功、渡辺絢吾も一塁内野安打から二盗を決めて一死二三塁、畑福俊英の遊ゴロをショート野口がエラーする間に三走鈴木が還り2-2の同点とする。

 阪神は3回、先頭の塚本が中越えに二塁打、大和ベンチはここでセンターを渡辺から杉江文二に交代、大和は寺内一隆監督が応召して苅田久徳が監督兼選手として入団するのはもう少し先のことで、この頃は畑福が代理監督を務めている。果たして畑福投手が自らセンター交代の指示をしたのか、続く高齢者の石原繁三か金子裕が指示を出しているのか微妙である。御園生は三ゴロに倒れ、田中がストレートの四球を選んで一死一二塁、山口の三ゴロの間に二者進塁して二死二三塁、藤井の一塁内野安打で3-2、藤井が二盗を決めて二死二三塁、門前の三塁内野安打で三走田中も還り4-2、二死一三塁から一走門前がディレードスチール、一二塁間に挟まれて「1-4-3-6-1」と渡る粘りを見せる間に三走藤井がホームに還り5-2、門前はタッチアウトとなり盗塁失敗が記録されたが好走塁であった。

 大和先発の畑福は3回まで5点を失ったが4回以降阪神に得点を許さず味方の反撃を待つ。

 阪神は細かな継投で大和打線に得点を許さない。5回、先頭の畑福に左前打を許すと勝利投手の権利を有する先発の玉置玉一を下げて木下勇を投入し後続を抑える。6回、木下勇が木下政文、富松信彦に連続四球を与えると三番手として渡辺誠太郎を投入、しかしこれは裏目に出た。小松原博喜の投ゴロで一走冨松が二封されて一死一三塁、小松原が二盗を決めて一死二三塁、鈴木の一ゴロで三走木下がホームに突っ込み、ファースト藤井がバックホームするがセーフ、野選が記録されて3-5、鈴木も二盗を決め、杉江は浅い中飛に倒れて二死二三塁、畑福が左前に同点の2点タイムリーを放ち5-5と追い付く。

 阪神は7回裏からライトの御園生をマウンドに送り込む。更に、ここまで4盗塁を許している門前をファーストに回して、サードの田中がマスクを被る。

 阪神は8回、先頭の山口が四球を選んで出塁、大和ベンチはここで畑福から石原繁三にスイッチ、石原は後続の3人を抑える。

 大和は8回裏、一死後杉江がストレートの四球で歩くと二盗に成功、石原の遊ゴロの間に杉江は三進、トップに返り山田潔は四球から二盗に成功して二死二三塁、木村が二遊間にタイムリーを放って6-5と勝ち越す。

 阪神は9回、先頭の野口が左中間に二塁打、しかし三輪裕章に代わる代打若林忠志監督の送りバントは一邪飛となって失敗、トップに返り塚本の左前打で二走野口は三塁にストップして一死一三塁、御園生の遊ゴロが「6-4-3」と渡って試合終了、大和が見事な逆転勝利を飾った。


 大和は6盗塁を決めて快勝。決勝打を放った木村孝平は5打数4安打で猛打賞を獲得した。並列の殊勲者は6回に同点タイムリーを放った畑福俊英代理監督であった。


 大和の勝因の一つが8回の継投策であった。代理監督を務める畑福が自らマウンドを降りる決断をしたのか定かではないが、畑福は監督としての資質が高かった可能性が高い。畑福は戦後、専修大学松戸高等学校野球部の監督に就任することとなる。畑福の教えは2015年に花開き、専大松戸は甲子園に初出場することとなる。


 

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