2015年7月5日日曜日

17年 阪急vs南海 9回戦


8月8日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 1 0 0 3 4 阪急 33勝29敗2分 0.532 森弘太郎
0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 南海 35勝32敗 0.522 石田光彦

勝利投手 森弘太郎 17勝10敗
敗戦投手 石田光彦   6勝9敗

二塁打 (急)山下好一、池田、上田
三塁打 (急)森田

勝利打点 池田久之 3


池田久之、決勝タイムリー

 北原昇を怪我で欠く南海は岩本義行が三番に回り、四番に国久松一を起用してきた。国久は昭和14年、15年に四番の経験があるが、16年の南海四番は鬼頭数雄、村上一治、岩本義行の3人が務めただけで、今季はここまで全試合で岩本義行が四番に入っていた。


 南海は初回、好調が続く先頭の柳鶴震が左前打で出塁、猪子利男の遊ゴロでランナーが入れ替わり一死一塁、岩本の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。2回は先頭の四番・国久がストレートの四球で出塁するが後続なく無得点。

 南海は3回、先頭の八木進が左翼線にヒット、レフト山下好一がファンブルする間に八木は二塁に進む。トップに返り柳は右飛に倒れるが、猪子が中前にタイムリーを放ち1点を先制する。

 南海先発の石田光彦は3回まで阪急打線を無安打に抑える好投。4回、先頭の上田藤夫に四球を与えるが、続く黒田健吾を一ゴロ併殺に打ち取る。この併殺は「3-6-3-6」と記録されており、ファースト中野正雄が一度二塁に送球したがセーフ、ショート増田敏からの折り返し送球で打者走者の黒田は一塁アウト、二塁に進んだ一走上田の離塁を見て中野が再び二塁に送球してタッチアウトというところでしょうか。二死無走者となって山下好一が右中間に二塁打、しかし中島喬は遊ゴロに倒れて無得点。

 石田は5回も一死後池田久之に左中間二塁打を許すが中村栄を遊ゴロに打ち取り、森弘太郎に四球を与えるがトップに返りフランク山田伝を一ゴロに打ち取りここまで無得点に抑えてきたが徐々に打たれてきた。

 阪急は6回、先頭の上田が左中間に二塁打、黒田が中前に同点タイムリーを放って1-1と追い付く。

 南海は4回、二死後中野がレフト線にヒットを放つが二塁を欲張りタッチアウト。5回も二死後八木の遊ゴロをショート中村栄が一塁に悪送球して八木は二塁に進み、柳が左前打を放って二死一三塁とするが、柳の二盗をキャッチャー池田が刺して無得点。6回も二死後国久が四球、岡村俊昭が右前打を放って二死一二塁とするが中野正雄は捕邪飛に終わる。7回は一死後増田が二遊間に内野安打、八木も左前打で続いて一死一二塁とするが、トップに返り柳の右飛に二走増田が飛び出しダブルプレー。8回も一死後岩本がストレートの四球で歩くが国久の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。ここまでヒットか四球で毎回走者を出してきたが無得点。

 阪急は9回、6回の守備から日比野武に代わってファーストに入っている森田定雄のこの試合初打席、右中間に三塁打を放って無死三塁、池田が中前に決勝タイムリーを放って2-1、中村のバントが内野安打となって無死一二塁、森の三前送りバントをサード柳がエラーして無死満塁、トップに返り山田の三塁内野安打で3-1、上田の一ゴロで山田が二封される間に三走中村が還り4-1として試合を決める。

 南海は9回、二死後石田が右前打を放つが増田が右飛に倒れて試合終了。南海は毎回走者を出しながら1点止まりであった。9安打3四球1得点の割には7残塁、併殺3個と中野の暴走が原因である。


 勝利打点は決勝タイムリーを放った池田久之に記録されたが、そのきっかけを作った森田定雄の三塁打がこの試合を決したと言っても過言ではない。当ブログが森田定雄を「最も無名の最強打者」と名付けているのはご存知のとおり。


 

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