2011年3月4日金曜日

西沢道夫のピッチング

 
 何時ぞやお約束した西沢道夫のピッチングについてお知らせいたします。
 今季16歳にして3勝をあげた西沢のピッチングについて、


・初勝利をあげた6月26日の阪急4回戦の翌日の読売新聞には「その殊勲の筆頭にはまず快投西沢をあげねばならない、コントロールも申分ないうえに落ち気味の直球は徹底的に阪急のミートを狂わせ・・・」


・3勝目をあげた7月15日のセネタース5回戦の翌日の読売新聞には「一方セ軍も西沢の小さく落ちる特徴の直球にバットは合わず・・・」
と記されている。



 西沢は速球投手なので単にボールがおじぎをしているのではないでしょう。となると握りを変えてのカットボールの可能性がある。この当時の軟投派としては遠藤忠二郎、木下博喜、森井茂、古川正男などがいるが読売新聞の記事には西沢と同様の表現が使われたことはない。あまりスピードのない森弘太郎などは「何の変哲もない投球」などと書かれている。落ちる直球であればスプリットフィンガード・ファストボールが考えられるがこの当時ボールを挟み気味に投げると言う発想があったとは考えにくい。西沢は当時としては珍しい182センチの長身であり指も長かった可能性があり、少し指をずらせばカットファストボールになる可能性がある。挟んでいた可能性もゼロではありませんが。

 と言うことで、一応西沢道夫を「カットファストボールの元祖」ということにしておきます。

 因みに日本でスプリットフィンガード・ファストボールが大流行したのは1986年に日米野球で来日したこの年のナショナル・リーグでサイ・ヤング賞を受賞したマイク・スコットが投げていたからです。


       *SFFで一世を風靡したマイク・スコット

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