2013年4月27日土曜日

三重殺



 昭和15年10月7日の巨人vsセネタース10回戦において、巨人がトリプルプレーを記録していますが実況中継から抜け落ちていましたので補足させていただきます。


 セネタース5回の攻撃は先頭の高橋輝彦が中前打、山崎文一は四球を選んで無死一二塁、続く小林茂太の当りはショート後方への小飛球となりましたが、ショート白石敏男が背走してシングルキャッチ、白石からセカンド平山菊二、ファースト川上哲治へと渡って「6-4-3」のトリプルプレーが完成しました。



 昭和11年以降のプロ野球で三重殺が確認されているのは昭和13年10月23日、13年秋季リーグ戦ライオンvs名古屋3回戦でライオンがやったのが最初です。名古屋初回の攻撃で戒能朶一が左前打、鈴木秀雄が四球を選んで無死一二塁、桝嘉一のセカンドライナーがセカンド中野隆雄、ファースト玉腰年男、ショート酒沢政夫と渡り「4-3-6」のトリプルプレーとなりました。


 二度目は昭和14年4月2日の南海vsイーグルス1回戦で南海8回の攻撃、岡村俊昭が三前にバントヒット、鶴岡一人が中前打を放って無死一二塁、続く中村金次の遊ゴロはショート山田潔からセカンド木下政文、ファースト菅利雄と渡ってゲッツー、二走岡村が三塁ベースを蹴ってホームを狙うが菅からキャッチャー伏見五郎に渡って「6-4-3-2」のトリプルプレーが完成しました。


 一度目に絡んだ酒沢政夫と二度目に絡んだ山田潔は昭和26年6月29日、大映vs毎日戦で大映のショート山田潔、セカンド酒沢政夫としてキーストーンコンビを組み、この試合で日本プロ野球史上唯一となる一試合2度のトリプルプレーを達成することとなります。


 三度目は昭和14年6月17日のジャイアンツvs名古屋6回戦で名古屋4回の攻撃、芳賀直一が中前打、中村三郎、村瀬一三が連続四球、石田の右前タイムリーで芳賀が生還してなお無死満塁、桝嘉一の右飛をライト中島治康が好捕してファースト川上哲治、ショート白石敏男と転送して「9-3-6」のトリプルプレーとなりました。


 四度目は昭和14年10月11日の名古屋vsセネタース11回戦で名古屋初回の攻撃、桝嘉一が中前打、石田政良も中前打で無死一二塁、大沢清の投ゴロはピッチャー浅岡三郎からセカンド苅田久徳、ファースト野口二郎へと転送されてゲッツー、二走桝が三塁ベースを蹴ってホームを狙うが野口からキャッチャー佐藤武夫に渡って「1-4-3-2」のトリプルプレーが完成しました。


 五度目が今回の巨人となります。巨人のセカンドは千葉茂が怪我のため欠場しており平山菊二が入っています。









                  *「併殺数」の欄の「三併殺」と書かれています。












               *セネタース5回の攻撃で三重殺が記録されました。







 

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