新人王はアメリカン・リーグがマイク・トラウト、ナショナル・リーグがブライス・ハーパーと発表されました。このまま2010年代のプレイヤー・オブ・ザ・ディケード争いに直結する可能性があります。
トラウトの満票は至極当然でダルビッシュの成績では敵いません。シーズン半ばに調子を落としたハーパーは意外だったかもしれません。アリゾナ・ダイヤモンドバックスの左腕ウェイド・マイリーの方が下馬評は高かったかもしれません。但しハーパーのスウィングの鋭さは既にメジャーでも最上位であり、走攻守に秀でた才能が評価されたものでしょう。一部ではトラウトとハーパーの出現はウィリー・メイズとミッキー・マントルに例えられている程です。後世の野球史家は、トラウトとハーパーがデビューした2012年をメイズとマントルがデビューした1951年と同視して語ることとなるかもしれません。
ア・リーグのマイク・トラウトは満票でしたが、ナ・リーグはブライス・ハーパーが一位票16、二位票8、三位票8で112得点に対してウェイド・マイリーは一位票12、二位票13、三位票6で105得点という接戦でした。ハーパーは2割7分、22本塁打、59打点、18盗塁で、マイリーは16勝11敗、防御率3.33、144奪三振、WHIP1.18なので数字的にはマイリー有利とも言えます。マイリーは183センチ100キロと上背こそ無いものの巨漢の左のパワーピッチャーですがストレートのスピードガン表示は92マイル前後で、投球回数194回3分の2で与四球37と意外とコントロールがいい。奪三振数を与四球数で割ったK/BBは「コントロールがよく、なおかつ多くの三振が奪える投手」の指数となりますが、マイリーはナ・リーグのQualifiersでは第6位となる3.89という高い数値となっています。因みにナ・リーグのトップは211回を投げて与四球28個と相変わらず抜群のコントロールを誇るクリフ・リーの7.39で、ア・リーグはC.C.サバシアの4.48がトップです。
いよいよサイ・ヤング賞、MVPが順次発表されます。投票はポストシーズン前に締め切られていますので純粋に162試合のシーズン記録が対象となります。ナ・リーグはサイ・ヤング賞がR.Aディッキー、MVPはバスター・ポージーと予想しています。こちらは多分当たるでしょう。
ア・リーグのサイ・ヤング賞争いは混戦で、当ブログは数字的にはやや劣ることを承知の上でジェレッド・ウィーバーと予想しておりますがジャスティン・バーランダーでもデイビッド・プライスでもおかしくありません。プライスは数字的にやや落ちて、バーランダーは2年連続の壁(最近は「財政の壁」が話題になっていますが(笑))が厳しく、消去法的にウィーバーに回ってくるのではないかと予想しております。
ア・リーグのMVP争いは歴史的争いと言えるでしょう。当ブログはマイク・トラウトが三冠王ミゲール・カブレラを抑えて受賞すると予想しております。一部ではWAR(Wins Above Replacement)の数値が高いトラウトを有力視しているようですが、当ブログはWARは重視しておりません。WARだけでMVPが決まる程野球と言うスポーツは単純なものではないと考えています。カブレラはフロリダ・マーリンズ時代の手抜き守備に起因してMVP投票では得票が集まりません。当ブログは一昨年、ジョシュ・ハミルトンではなくミゲール・カブレラをMVPと予想して外しました。薬物依存から立ち直ったハミルトンに得票が集まるのは必至でしたがカブレラの残した数字と、何よりカブレラのバッティング技術を評価した訳ですが(2010年11月15日付けブログ「三冠への道 ⑲ & 一騎討ち ⑮」参照)、矢張り記者投票はハミルトンに集まりました。トラウトvsカブレラの争いをセイバー派vs守旧派と捉える向きもあるようですがそれとも少し違います。「マイク・トラウトの勢いを買う」というのが当ブログの考えです。このままプレイヤー・オブ・ザ・ディケードまで突っ走る可能性まで感じています。
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