ナショナル・リーグのMVPはバスター・ポージー、サイ・ヤング賞はR.A.ディッキーとなりました。⑲で「こちらは多分当たるでしょう」と書いたとおりの結果となりましたがアメリカン・リーグは大外れでした。
バスター・ポージーは首位打者となった数字以上にキャッチャーとしてのリードや人間性などの定性評価が高く、新人王を獲った2010年とMVPの2012年にチームもワールドチャンピオンとなりました。一時は再起不能とまで言われた昨年春の大怪我からの復活劇でした。
R.A.ディッキーのサイ・ヤング賞は素晴らしいの一言です。7月21日付け「三冠への道 2012 ③」ではサイ・ヤング賞どころかMVP候補にあげさせていただきました。今年のディッキーのピッチングで最も印象に残ったシーンは5月7日のダイヤモンドバックス戦、8回途中でマウンドを降ろされる際にロジンバックをマウンドに叩きつけたシーンでした。37歳となった今シーズンまで苦難の道を歩み続けてきた男が突然開花した要因は、この闘志にあると見ています。当ブログが注目してきた「伸びるナックル」はあちらでは「ハイ・ナックル」と呼ばれています。記者投票では32票中27票の一位票を集めました。
混戦となったアメリカン・リーグのサイ・ヤング賞はデイビッド・プライスがジャスティン・バーランダーをハナ差で抑えました。プライスは一位票14、二位票13、三位票1で153得点、バーランダーは一位票13、二位票13、三位票2で149得点の僅差となりました。ア・リーグは28票が満票ですが、1人の記者がタンパベイ・レイズのクローザーのフェルナンド・ロドニーに一位票を投じています。結局この1票の差で決まってしましました。ナ・リーグでもアトランタ・ブレーブスのクローザーのクレイグ・キンブレルに一位票が1票入っています。今季突如としてコントロールが良くなり48セーブで防御率0.60のロドニーの一位票も、現在MLBでNo1のクローザーとして評価の高いキンブレルの一位票も不思議はありません。まだ若いキンブレルには2~3年のうちにサイ・ヤング賞が回ってくる可能性があります。当ブログが期待したジェレッド・ウィーバーは二位票2、三位票14、四位票9、五位票2なので圏外とした記者も一人いたこととなります。投球回数が200回に届かなかったことが原因ですが、ピッチング内容だけを見れば今季はウィーバーがNo1であったという考えは現在でも変わりません。
近年で最大の注目を集めたア・リーグのMVP争いは45年振りの三冠王ミゲール・カブレラとなりました。これまで数字を無視して投票してこなかった記者も三冠王で懺悔の気持ちからカブレラに票を投じた結果だと思います。仮に、3割2分6厘のマイク・トラウトと3割3分のミゲール・カブレラが入れ替わっていてトラウトが首位打者、カブレラが惜しくも三冠を逃して二冠と言う状況だったら、トラウトに一位票が流れたでしょう。果たしてマイク・トラウトの成績が打率4厘の差によって価値を貶めるものであったのか。こちらもMVPはマイク・トラウトという考えは現在でも変わりません。
当ブログでは当たらない予想を今後も続けていきます。当ブログの予想はまず結論を決めて、そこからその結論を見出す過程を探っていくという手法です。競馬の予想は当たらなくては意味がありませんが、野球の予想は当たらなくても実害はありません。その過程を楽しむことに目的がある訳です。したがって、来年も「三冠への道 2013」を書いていると予想しています(笑)。
*R.A.ディッキーの直筆サイン入りカード。2004年の発行でアトランタ・オリンピック代表の写真が使われています。1996年アトランタ・オリンピックでチームUSAに選ばれてから今季のブレイクまでの苦難の道がうかがわれる逸品です。
ディッキーのサインカードはこれまでこれが唯一と言われているようです。今シーズンオフには大量発行されており、今後も増えていくでしょうがこの逸品の価値を貶めるものではないでしょう。
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