１３年秋 金鯱vsジャイアンツ ２回戦

9月23日 （金） 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 1 0 0 0 0  1 金鯱 　　　　　  ３勝９敗      0.250 常川助三郎
3 0 0 1 0 0 4 2 X 10 ジャイアンツ ７勝２敗１分 0.778 スタルヒン


勝利投手 スタルヒン     ５勝０敗
敗戦投手 常川助三郎  ２勝２敗


二塁打　（ジ）スタルヒン、白石
三塁打　（ジ）中島


金鯱守備陣が崩壊


　ジャイアンツは明日がセネタースとのダブルヘッダー、明後日は難敵イーグルスとの対戦とあってローテーションが難しいところ。本日は愈々本格化してきたスタルヒンが先発。金鯱は突然変異のごとく先週タイガースとジャイアンツを破った常川助三郎が先発。9月21日付け読売新聞「今週の展望」には「投手常川が異数の進境を示しているうえ・・・」と書かれている。異数とは「めったにないこと」という意味のようです。

　金鯱は江口行男を応召で欠き内野陣が手薄なところに五味芳夫が怪我で欠場、セカンドには呉二中出身の浜崎博を起用する。更に1回の守備中にショート瀬井清が怪我をした模様で2回からセンターの佐々木常助がショートに入りセンターに中山正嘉が入ることとなる。

　ジャイアンツは初回、三原脩の遊ゴロをショート瀬井清がエラー、白石敏男四球で無死一二塁、千葉茂の二ゴロをセカンド浜崎が二塁ベースカバーに入ったショート瀬井に送球するがこれが高く逸れて三原が生還して1点を先制してなお無死一二塁、ここでダブルスチールを敢行するとキャッチャー松元三彦の三塁送球が悪送球となって白石が生還、中島治康は中飛に倒れるが伊藤健太郎四球後、六番川上哲治が右前にタイムリーを放ち3-0とする。

　ジャイアンツは4回、二死後吉原正喜の左飛をレフト武笠茂男が落球、スタルヒンが左中間を抜いて吉原を迎え入れて4-0とする。

　金鯱は5回、一死後武笠が右前打で出塁、二死後浜崎四球、常川四球で二死満塁、ここで三走武笠がホームスチールを成功させて1-4とする。この点差で本盗とは不思議ですが、一走、二走共に走っていないので武笠のノーサインでの判断しょう。余程スタルヒンのモーションに隙があったというところでしょう。ホームに滑り込むシーンは翌日の読売新聞に写真入りで紹介されています。

　ジャイアンツは7回、一死後スタルヒンの遊ゴロを急造ショートの佐々木がエラー、佐々木は5回の遊ゴロは無難に捌いてはいましたが。ここから三原右前打、白石右中間二塁打、千葉中前打、中島中越え三塁打と四連打で4点をあげる。8回は平山菊二、吉原、スタルヒンの下位打線が三連続左前打、二死後千葉も中前にタイムリーを放って2点を追加、10対1で大勝する。

　大量得点に守られてスタルヒンは3安打4四球5三振の完投で今季5勝目。金鯱は守備陣が崩壊して7失策。先週のタイガース、ジャイアンツを連破した際も共に奪三振ゼロと打たせて取るピッチングの常川助三郎にとってはこれではピッチングにならない。翌日の読売新聞も「低めの球を利かせて凡打策に出た常川の奮闘がありながら守備陣の崩壊から大敗」と常川には同情的に伝えている。