2020年4月2日木曜日

21年 グレートリングvsセネタース 5回戦


6月30日 (日) 後楽園 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
0 0 2 0 1 0 1 1 7 12 グ軍 17勝16敗 0.515 清水秀雄 
1 0 0 0 0 0 0 2 0  3  セ軍 15勝23敗 0.395 黒尾重明 上口政 

勝利投手 清水秀雄 6勝3敗
敗戦投手 黒尾重明 5勝8敗 

二塁打 (グ)別所、堀井
三塁打 (グ)宮崎、田川
本塁打 (セ)大下弘 4号

勝利打点 (グ)別所昭 2

猛打賞 (グ)河西俊雄 4


河西-安井の一二番コンビ

 後楽園の第1試合は清水秀雄と黒尾重明の先発で午後1時7分、池田球審の右手が上がりプレイボール。

 グ軍のオーダーは一番河西俊雄、二番安井亀和、三番別所昭。河西がプロ入り初の一番に起用されたのは6月24日のタ軍戦であるが、この時の二番は宮崎仁郎で三番は木村勉であった。河西-安井の一二番コンビはこの試合が初めてである。グ軍はこのところ三番にファースト清水秀雄を起用していたが、その清水は本日は先発なので別所が三番ファーストに入った。このオーダー変更が効いた。


 グ軍は初回、先頭の河西が四球で出塁、しかし安井の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。河西-安井の一二番コンビの初プレーは「ゲッツー」であった。


 セ軍は1回裏、一死後横沢七郎がストレートの四球で出塁、飯島も四球を選んで一死一二塁、大下が中前にタイムリーを放ち1点を先制する。


 グ軍は2回表、先頭の山本一人監督が左前打で出塁、しかし堀井の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。


 ここまでの流れはセ軍に傾いていた。


 グ軍は3回表、先頭の筒井敬三が中前打で出塁、宮崎の遊ゴロをショート鈴木清一がエラー、無死一二塁からトップに返り河西が三前にバントヒット、安井の三ゴロで三走筒井は本封、一死満塁となって別所がレフト線に逆転の2点タイムリーを放ち2-1と勝ち越す。


 グ軍は5回表、一死後宮崎が右中間に三塁打、センター一言多十からの返球をセカンド横沢が後逸する間に三塁に達していた宮崎が一気にホームインして3-1、宮崎の記録は三塁打。


 グ軍は7回表、一死後筒井が死球を受けて出塁、宮崎は三振に倒れるが、トップに返り河西の打席で筒井が二盗に成功、河西の三塁内野安打で二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて4-1とする。


 グ軍は8回表、一死後山本が四球で出塁すると二盗に成功、この際キャッチャー熊耳が二塁に悪送球、これをカバーに入ったセンター一言が後逸するダブルエラーの間に山本が一気にホームに還り5-1とする。


 セ軍は8回裏、先頭の飯島の当りは遊ゴロ、これをショート宮崎が一塁に悪送球、大下がライトスタンドに第4号ホームランを叩き込んで3-5と追い上げる。


 グ軍は9回表、先頭の河西が三塁に内野安打、安井のレフト線ヒットで無死一二塁、別所の右前タイムリーで二走河西が生還、ライト長持がエラーして一走安井も快足を飛ばしてホームに還り7-3として別所は二塁に進み、続く山本が三遊間に内野安打、ショート鈴木が一塁に悪送球する間に三塁に進んでいた別所が還って8-3、堀井はストレートの四球で無死一二塁、田川が中越えに三塁打を放ち10-3、清水のライト線タイムリーで11-3、筒井はショートライナーに倒れるが、宮崎のレフト線ヒットで一死一二塁、セ軍ベンチはここで黒尾から上口政にスイッチ、トップに返り河西が四球を選んで一死満塁、安井は一邪飛に倒れるが、別所が押出し四球を選んで12-3とする。


 清水秀雄は7安打4四球5三振の完投で6勝目をあげる。


 一方的な試合となったが序盤はセ軍の流れであった。その流れを変えたのは3回表の河西の三塁線バントヒットであった。グ軍はしばらく「河西-安井」の一二番コンビで行くが、一リーグ時代を席巻したグ軍の機動力野球の起点となる一二番コンビは、今後「一番安井-二番河西」となっていく。


 河西はこの試合、6打席3打数3安打3四球、出塁率十割であった。



*河西のベースボールカード。昭和27年~29年のユニフォーム(綱島理友著「日本プロ野球ユニフォーム大図鑑」参照)。


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