5月14日 (木) 西宮
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 0 0 3 0 0 4 黒鷲 5勝20敗2分 0.200 小松原博喜 松本操
3 1 1 0 0 0 0 0 X 5 巨人 20勝7敗 0.741 多田文久三 広瀬習一
勝利投手 多田文久三 3勝0敗
敗戦投手 小松原博喜 0勝3敗
セーブ 広瀬習一 1
二塁打 (黒)木下
本塁打 (黒)木下 2号
勝利打点 伊藤健太郎 3
人間機関車
巨人では白石敏男が13、14、15日の三日間欠場、川上同様関西遠征を利用して広島に帰り徴兵検査を受けたのではないかと推測されるが、白石の自伝「背番号8は逆シングル」によると白石の応召は昭和19年4月とのことで昭和18年も81試合に出場することとなる。但し、同自伝には「18年も暮になると・・・『オレのところへは、どうして召集が来んのかいのう』と、この頃になると召集が来ないのが、むしろ不安になる。早く軍隊へ入ってお国のために働きたい、と思うようになった」と書かれているので早い時期に徴兵検査を受けていたのは間違いないようです。17年シーズンオフに受けたとも考えられますが。
巨人は初回、白石に代わってトップに入る呉波は三振に倒れるが、水原茂が左前打、楠安夫がストレートの四球を選んで一死一二塁、中島治康の二遊間内野安打で一死満塁、伊藤健太郎がセンター右に先制タイムリーを放って1-0、川上に代わりこの日もファーストに入っている永沢富士雄は浅い右飛に倒れるが、坂本茂、小池繁雄の新二遊間コンビが連続して押出し四球を選んで早くも3点を先制する。黒鷲はここで先発の小松原博喜を下げて松本操をマウンドに送り、多田文久三は三振に倒れてスリーアウトチェンジ。
黒鷲は2回、先頭の木下政文がレフトスタンドに第2号ホームランを叩き込んで1-3と追い上げる。
巨人は2回裏、一死後水原が四球で出塁、楠が中前打、中島は二飛に倒れるが伊藤が四球を選んで二死満塁、永沢が中前にタイムリーを放って4-1と突き放す。
巨人は3回、先頭の小池が四球を選んで出塁するが多田の三ゴロは「5-4-3」と渡ってゲッツー、トップに返り呉の当りは遊ゴロ、スリーアウトチェンジかと思われたところショート木村孝平がエラー、呉の快足を意識したか、すかさず呉が二盗に成功、水原の内野安打で二死一三塁、ここで鮮やかにダブルスチールを決めて5-1とする。結果的にこの1点が効いた。
巨人先発の多田は4回、6回と走者を出すが何れも「5-4-3」の併殺で切り抜けたが7回に捕まった。
黒鷲は7回、一死後松本が右前打、木下がレフト線にタイムリー二塁打を放って2-5、谷義夫の三遊間内野安打もタイムリーとなって3-5、杉山東洋夫の遊ゴロの間に谷は二進、宗宮房之助が中前にタイムリーを放って4-5とし、風雲急を告げる。
しかし巨人は8回から黒鷲に強い広瀬習一をリリーフに送り、広瀬が2イニングを三者凡退に抑えて逃げ切る。
白石の欠場により昨日から一番に入っている呉波は6回に二盗と本盗を決めて貴重な追加点をもたらした。呉は11日の黒鷲戦でも本日同様ピッチャー松本操の時に重盗による本盗を決めている。いよいよ呉が「人間機関車」の本領を発揮し始めた。白石が復帰すると呉は再び下位に戻されるが、今季後半は一番打者に定着することとなる。白石の三日間の欠場が呉波の野球人生におけるターニングポイントとなった可能性が高い。
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