2014年12月22日月曜日

17年 阪急vs大洋 4回戦


5月12日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 2 0 0 1 3 阪急 15勝10敗1分 0.600 天保義夫 笠松実
2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 大洋 15勝11敗1分 0.577 三富恒雄 野口二郎

勝利投手 笠松実     6勝3敗
敗戦投手 野口二郎 8勝5敗

勝利打点 (なし)


西村正夫、決勝スクイズ

 大洋は初回、二死後浅岡三郎が三塁内野安打、次のプレーはスコアカードに「野口二郎の二ゴロをセカンド江口行雄がエラーする間に一走浅岡が生還し野口二郎も三塁に進塁」と記載されている。野口の強い当りのゴロを江口がトンネルし、打球は右中間を抜けていったと見るのが妥当でしょう。二死三塁から野口明が二遊間に内野安打して野口二郎が還りこの回2点を先制する。

 大洋先発の三富恒雄は3回まで三者凡退を続けるパーフェクトピッチング。翌日の読売新聞が「近来長足の進歩を示した三富」と書いている三富の好調ぶりは当ブログでも再三指摘してきているとおりです。

 阪急は4回、一死後上田藤夫が二遊間に内野安打、フランク山田伝が中前打で続いて一死一二塁、森田定雄は遊ゴロに倒れ、黒田健吾が四球を選んで二死満塁、しかし山下好一が遊ゴロに倒れて反撃のチャンスを逸す。

 阪急は6回、先頭の西村正夫が四球で出塁、上田は右飛に倒れるが山田が死球を受けて一死一二塁、森田の二遊間内野安打で一死満塁、黒田が押出し四球を選んで1-2、山下好一が右前に同点タイムリーを放ち2-2とする。なおも一死満塁が続くが日比野武は捕邪飛、江口は一ゴロに倒れて逆転はならず。

 同点に追い付いた阪急は6回から先発の天保義夫に代えて笠松実をマウンドに送り込む。

 阪急は7回、先頭の笠松がストレートの四球で出塁、大洋ベンチは三富限界と見てファーストの野口二郎をマウンドに上げ、ファーストには古谷倉之助が入る。トップに返り西村の投ゴロは「1-4-3」と渡るダブルプレー、ここは野口二郎-苅田久徳の黄金の併殺コンビが魅せた。


 阪急は9回、先頭の山下好一が中前打で出塁、日比野も中前打で続いて無死一二塁、江口が送りバントを決めて一死二三塁、笠松は四球を選んで一死満塁、トップに返り西村の一塁線スクイズをファースト古谷がエラー、三走山下好一が決勝のホームを踏んだ。西村には犠打、古谷には失策が記録されており、西村には打点が記録されていない。したがって西村には勝利打点は記録されない。三走山下好一のホームインは古谷のエラーによるもの、二走日比野の三進と一走笠松の二進は西村の犠打によるものと判定されているようだ。翌日の読売新聞には「西村がスクイズ・バントしたのを古谷が失して決勝点を握った」と書かれている。


 筆者の拙い知識では一番先の走者である三走山下好一のホームインが失策によるものであれば西村には犠打は記録されず、西村に犠打が記録されているのであれば山下好一のホームインは古谷のエラーがなくても成されたものと判定されて西村に打点が記録されると考えたのですが、筆者はルールに精通している訳ではないのでスコアカードの記載通りとし、この試合の勝利打点は「なし」とします。但し、腑に落ちないのも事実なので括弧付の「(なし)」とさせていただきます。


 いずれにせよ、バントの名手西村正夫のスクイズにより決勝点をあげた阪急がリリーフ笠松実の好投で逃げ切った試合でした。







*9回に西村正夫が決勝のスクイズを決めた場面。











*四角で囲ってあるのは「犠打」を表します。犠打欄にも「1」が記録されており、他の打席で犠打はありませんので9回のスクイズに犠打が記録されています。一方、打点欄(スコアカードでは「得点打」の欄)は空欄となっており打点は記録されていない。「3’」はファースト古谷倉之助のエラーを表し、「犠打エラー」と記録されているので西村に打点が記録されてもおかしくはない。















 

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