「大戦前夜のベーブ・ルース」(以下「同著」)の227ページに「井野川利春」の写真が掲載されていますが、これは「井川喜代一」の間違いです。
同著では「井野川利春」としていますが、井野川は明治大学であり、227ページの写真の選手は慶應義塾大学のユニフォームを着ています。当ブログが「ちょと調べてみるか」と考えた理由は明治大学であるはずの「井野川利春」とされる選手が慶應義塾大学のユニフォームを着ていたからでした。
野球殿堂博物館の図書室で当時の「野球界」を調べていたところ、昭和5年11月号の表紙に5人の慶應義塾大学の選手の写真が掲載されており、「井川喜代一」の顔が227ページの写真の顔と酷似していることを発見しました。
更に、「野球界」昭和6年5月号に227ページの写真と同じ「井川喜代一」の写真が掲載されていることを発見しました。この写真は当時市販されていたブロマイド又は写真集のようです。同著の著者であるロバート・K・フィッツがこの写真を所有していることは事実であると考えられますが、「井野川」と「井川」が取り違えらえれてしまった可能性が高いと考えた訳です。
この点について発行所である「㈱原書房」様に問い合わせてみたところ、すぐに担当の方から返信があり、「既に他の読者の方からも同様の指摘が寄せられている」とのことで、増刷の際は訂正するということですのでこれ以上当ブログから申し上げることはありません。
野球史を研究する方には、目の前の情報を鵜呑みにするのではなく、自身の足を動かして現データを調べることをお勧めいたします。決してネットの情報だけに頼ることのないように(笑)。
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