2012年3月31日土曜日

14年 ジャイアンツvs金鯱 10回戦


9月27日 (水) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 1 1 0 0 2 0 0 5 ジャイアンツ 54勝20敗2分 0.730 スタルヒン
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 金鯱       28勝46敗3分 0.378 内藤幸三


勝利投手 スタルヒン 34勝12敗
敗戦投手 内藤幸三     0勝1敗


二塁打 (金)古谷
本塁打 (ジ)リベラ 3号

スタルヒン6安打完投で34勝目


 ジャイアンツは初回、白石敏男、水原茂の連続四球で無死一二塁のチャンスを迎える。千葉茂の右飛で白石が三進して一死一三塁、中島治康の右飛で白石が生還して1点を先制する。中島には犠飛が記録されておらず右飛で凡打が記録されている。一走水原がタッチアップから二塁を狙うがライト小林茂太からの二塁送球に刺されているので白石の生還はこの間に還ったものと判定されたようだ。

 金鯱は2回、一死後野村高義が右前打で出塁、野村が二盗を決めて山本次郎は中飛に倒れて二死二塁、瀬井清の右前タイムリーで1-1の同点とする。

 ジャイアンツは3回、先頭のスタルヒンが中前打で出塁、トップに返り白石の左前打をレフト野村が逸らす間に二者進塁して無死二三塁、水原の左犠飛で2-1と勝ち越す。

 ジャイアンツは4回、先頭のアチラノ・リベラ(アデラーノ・リベラ)が左翼ポール直撃の第3号を放って3-1とする。

 ジャイアンツは7回、一死後白石が四球から二盗に成功、更に内藤幸三のワイルドピッチで白石は三進、水原も四球を選んで一死一三塁、ここでダブルスチールを決めて4-1、千葉の右飛で水原がタッチアップから三塁に走り二死三塁、ここで内藤がこの回2個目のワイルドピッチを犯して5-1とする。

 スタルヒンは6安打2四球1死球6三振の完投で34勝目をあげる。


 内藤幸三は19日のジャイアンツ戦に続いて戦地から復帰後二度目の先発となった。前回はストライクが入らず先頭打者の四球後ノースリーとなったところで降板した。この日も立ち上がり連続四球を出したが5安打8四球1三振で完投した。昭和11年には澤村より速いと言われた剛速球も徐々に回復してきているようだ。

 翌日の読売新聞には「往年“巨人殺し”と謳われた内藤も病後の回復未だOと見えて往年の剛球も影を潜めていたのでスロー・カーブに頼ろうとしたが・・・」と書かれている。戦地から戻ってきたとは書けないようで戦争絡みは全て「病気」で誤魔化されています。当時の記事を読む時はこの点に注意が必要です。昭和14年も後半になってくると情報操作も激しくなってきているようです。イーグルスの中河美芳は依然としてグラウンドには姿は見えません。恐らく憲兵による尋問が続いているのではないでしょうか。復帰の際には「病気から回復」と書かれるのではないかと予想します。






                 *スタルヒンは6安打完投で34勝目をあげる。






     *「雑記」欄にはリベラのホームランが左翼ポールを直撃したと書かれています。

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