今年のセンバツは近年では最も面白くなりそうです。初日の第三試合では「浪速のダルビッシュ」大阪桐蔭の藤浪晋太郎と「東北のダルビッシュ」花巻東の大谷翔平が激突します。ダルビッシュ有は大阪出身で東北高校なので「浪速のダルビッシュ」も「東北のダルビッシュ」も可笑しな例えではありますが。
当ブログではピッチャーとしての素質は藤浪がはるかに上であると見ています。とにかく身体のバランスがいい。大谷は身体の割にはフォームが小さいので早いとこ打者に転向した方がいいと思います。ピッチャーでは伸びないでしょう。当ブログでは菊池雄星の打者転向説を早くから唱えていますが今のところ的中していることを付言しておきます。
五日目の第二試合に登場する京都の鳥羽高校は京都府第二中学校時代に第1回夏の甲子園に優勝しています。因みに第2回大会は我が母校の前身が優勝しています。第1回全国中等学校優勝野球大会は豊中球場で開催されましたので「甲子園」ではありませんが。OBにはオリックスの平野佳寿がいますが、「愛のコリーダ」の大島渚監督の方が有名です。
昨秋の明治神宮大会を制した光星学院は昨夏準優勝時のメンバーが数多く残っており、花巻東と共に東北に初の甲子園制覇をもたらすのではないかと期待されています。光星学院は不祥事を払拭することができるでしょうか。第1回全国中等学校優勝野球大会では秋田中学が決勝で京都二中に延長13回の末2対1でサヨナラ負けしています。にもかかわらず東北からの優勝は春夏共にまだ出ていません。
東北のチームが最も優勝に近付いたのは太田幸司の三沢高校でもダルビッシュ有の東北高校でもなく、大越基を擁して1989年の第71回全国高等学校野球選手権大会・夏の甲子園決勝に進んだ仙台育英です。決勝戦は吉岡雄二を擁する帝京高校と対戦しました。吉岡との投げ合いは0対0のまま延長戦に突入し、10回表に2点をとられて準優勝に終わりました。吉岡雄二は巨人にドラフト3位指名されて入団し、打者に転向(高校時代から打者としての才能を評価されていました)しましたが巨人では芽が出ず、近鉄移籍後にその素質を開花させました。
その大越基監督が率いる山口の早鞆(はやとも)高校は五日目第三試合に登場します。
群馬県から高崎高校と健大高崎の二校が出場します。高崎高校は地元では「たかたか」と呼ばれる県下随一の名門高校で、福田赳夫、中曽根康弘と二人の首相を輩出しています。中曽根総理時代に甲子園に出場した時、テレビのインタビューで母校の甲子園出場について聞かれた際、「一国の首相が騒ぐ話ではない。」と答えながらも顔がニヤついていたことを筆者が見逃さなかったことは以前にもお伝えしたとおりです。
二十一世紀枠で出場する洲本高校は昭和28年の第25回選抜高等学校野球大会に初出場して優勝しています。この時の指導者が戦争を生き延びて淡路島に移った望月潤一投手です。望月投手のご子息のブログによると、戦後スタルヒンと交流があり、スタルヒンが淡路島への移住を考えていたとのことです。この移住が実現していれば玉電に激突する事故も避けられたかもしれません。洲本高校のOBには阪神の鎌田実や女優の宮地真緒がいますが何と言っても「瀬戸内少年野球団」の阿久悠でしょう。夏目雅子の代表作は「鬼龍院花子の生涯」と言われていますが、「瀬戸内少年野球団」の演技も素晴らしかった。
洲本高校についての解説ありがとうございます。洲本高校が昭和28年の選抜初出場、初優勝についてですが、なぜ突然淡路島の高校が優勝できたかは、親父の移住が少なからず関係しています。
返信削除移住後、しばらくして、淡路島の高校、中学を主体に乞われてボランティアで指導をするようになり、この地域の野球のレベルアップを図り、やがて洲本高校の監督も引き受け、県の強豪チームと互角に勝負できるまでに育てた頃、アマチュア野球とプロ野球の確執があり、高校の監督を元プロ野球選手がすることに異論を唱える人が出てきたのを機に28年の快挙の1年足らず前に監督を退き、裏方に回りました。その時の教え子と大阪から呼んできた新監督が、初出場、初優勝を成し遂げたのです。それはさて置き洲本高校のこの時以来の甲子園での1勝を願って当日は観戦してきます。
今年は文武両道の21世紀枠候補だった高崎高校と宮崎西高校が地区大会の成績が優秀で一般枠に回ったことも洲本高校には幸運だったかもしれません。いずれにしても全国有数の激戦区・兵庫県で好成績を残しているのですから臆することなく戦ってもらいたいものです。
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