秋季シリーズの開幕まで1か月程空くことになるので小さな大会が3つ開催された。
8月30日~9月2日にかけて「日本野球四強豪争覇」と銘打って阪急、巨人、大洋、阪神によるリーグ戦が行われた。初日は阪神が阪急を4対0で、大洋が巨人を2対0で降す。雨で1日順延後、巨人が平山菊二のサヨナラ打で阪神を降し、大洋が阪急を3対1で降した。最終日は巨人が川上哲治のサヨナラ打で阪急を降し、大洋が阪神を2対1で降して大洋が3戦全勝で優勝した。
9月6日~8日に阪神、朝日、阪急による「在阪三球団対抗戦」が行われたがこの記録は読売新聞には残されていない。
そして、9月12日~15日にかけて秋季シリーズの成績にも影響を及ぼすこととなる「新愛知杯争奪野球」が鳴海球場にて行われた。全球団が参加したトーナメント戦である。
初日の1回戦は名古屋が黒鷲を2対0で降し、阪急が阪神を1対0で振り切った。二日目の1回戦は朝日が巨人を4対2で降し、南海が神田武夫の延長13回完投で大洋を2対1で降した。
三日目の準決勝は阪急が名古屋を延長11回6対5の接戦で降し、南海が朝日に川崎-神田のリレーにより5対1で楽勝した。
最終日の三位決定戦は名古屋が村松幸雄の好投で朝日を1対0で降した。いよいよ決勝戦、南海が阪急を延長14回の末3対1で降した。南海は川崎-神田のリレー、阪急はショート上田藤夫の3失策が痛かった。
この結果を見て、9月19日付け読売新聞は「日本野球“秋の陣” 第一節展望」と題して「波乱起こすか快調南海」と伝えている。神田武夫、川崎徳次の若手二枚看板を擁する秋季シリーズでの南海の戦いぶりは要注目となりそうな気配である。
*昭和9年日米野球に来日したベーブ・ルース、ジミー・フォックス、ルー・ゲーリッグが日本で残した直筆サイン入り写真。新愛知新聞の関係者が残していたもので、鳴海球場で撮影された写真であると考えられる。「新愛知杯争奪野球」が鳴海球場にて行われたことを記念して掲載させていただきました。
*当時の報道写真に見られる刻印が施されていることから本物に間違いない。
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