2014年4月14日月曜日

16年 巨人vs阪急 9回戦


8月25日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 巨人 41勝14敗2分 0.745 中尾輝三 広瀬習一
2 0 0 0 1 0 0 0 X 3 阪急 36勝20敗1分 0.643 笠松実 森弘太郎

勝利投手 笠松実       7勝7敗
敗戦投手 中尾輝三 15勝6敗
セーブ     森弘太郎   4

二塁打 (急)黒田

勝利打点 黒田健吾 4


阪急、夏季シリーズ優勝決定!!

 六連覇に向けて後がない巨人はこの引分再試合に勝って明日の大洋との引分再試合に勝てば阪急と同率に並ぶ。ここまで多田文久三、泉田喜義、広瀬習一そして澤村栄治の健闘で5連勝してきたが、本日の決戦は満を持して中尾輝三が先発する。

 その中尾が大誤算であった。阪急は初回、先頭の西村正夫がツースリーから2球ファウルで粘って四球で出塁、フランク山田伝の二ゴロでランナーが入れ替わり山田が二盗に成功、上田藤夫は三振に倒れるが黒田健吾が左翼線に二塁打を放って1点を先制、日比野武が左前にタイムリーで続いて2-0、森田定雄もセンター右にヒットを放って二死一二塁、伊東甚吉のカウントがツーボールナッシングとなったところで藤本定義監督は中尾を下げて広瀬習一にスイッチ、広瀬が田中幸男を右飛に打ち取り傷口を広げずに済んだ。

 4回まで広瀬に対して無安打の阪急は5回、先頭の山田がストレートの四球から又も二盗に成功、上田も四球を選んで無死一二塁、黒田の三前送りバントをサード水原茂が二塁に送球するがセカンド千葉茂が落球、この隙に三塁に達していた二走山田はホームを突くが千葉からキャッチャー吉原正喜に送球されてタッチアウト、一死二三塁となったところで日比野がスクイズを決めて3-0と突き放す。

 阪急の先発は当代随一の巨人キラーとなった笠松実。笠松は初回、先頭の呉波にストレートの四球を与えるが水原の右飛に呉が飛び出しダブルプレー。翌日の読売新聞によると「ヒト・エンド・ラン」とのこと。この時点ではまだ英語の表記は許されています。2回も先頭の川上哲治が中前打で出塁するが中島治康の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。この2イニング連続の併殺で笠松は波に乗り7回まで無失点を続ける。

 巨人は8回、先頭の呉の二ゴロをセカンド伊東がエラー、水原が四球を選び、千葉は右飛に倒れるが川上もストレートの四球で一死満塁、中島が押出し四球を選んで1-3、阪急ベンチはここで笠松から森弘太郎にスイッチ、この試合最大の山場、すなわち夏季シリーズ最大の山場は森が吉原を投ゴロ併殺に打ち取り、この瞬間に巨人の六連覇は潰え阪急の優勝が決定する。巨人は最終回、二死後筒井修が四球を選んで林清一を代走に送るのが精いっぱいの反撃となり、最後は呉に代わる代打楠安夫が三ゴロに倒れて万事休した。


 この試合に巨人が勝って明日の大洋にも勝ち阪急と同率になった場合、プレーオフが行われたか否か、どこにも記述が見られないので分かりません。




*巨人キラー笠松実は夏季シリーズの巨人戦5試合で3勝目をあげる。
 歴史に“タラレバ”は禁句であるが、もしこの試合に広瀬習一が先発していたら歴史は変わっていたかもしれない。















               *巨人の六連覇を阻んだ阪急打線。


















 

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