2011年4月5日火曜日

13年秋 イーグルスvs金鯱 1回戦

9月24日 (土) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 0 1 0 0 1 3 イーグルス 5勝4敗2分 0.556 望月潤一
0 0 0 0 2 0 0 0 0 2 金鯱      3勝10敗     0.231 中山正嘉


勝利投手 望月潤一 2勝0敗
敗戦投手 中山正嘉 1勝5敗


二塁打 (イ)ハリス (金)武笠、佐々木


金鯱、スクランブル体制


 金鯱は二遊間コンビの五味芳夫、瀬井清を怪我で欠き八番ショートに浜崎博を起用、九番セカンドには何と岡田源三郎監督がスクランブル出場となった。岡田源三郎御大が出場すると相手チームはやりにくいようで、タイガースの松木謙治郎などは明治大学時代の監督で直接指導を受けているだけに手加減せざるを得ないようだ。岡田源三郎は早稲田実業が第1回全国中等学校優勝野球大会に出場して準決勝まで進出した時のキャッチャーであり、本日のイーグルス先発・望月潤一の大先輩となる。22歳の年齢差があるので直接薫陶を受けたかどうかは不明。イーグルスとしては明日のジャイアンツ戦に亀田忠、中河美芳を温存したいところで、好調の望月に期待がかかる。

 金鯱は初回、一死後岡野八郎が三塁内野安打、古谷倉之助中前打、小林茂太四球で一死満塁と先制のチャンスを迎えるが中山正嘉の三ゴロで岡野が本封されて二死満塁、武笠茂男は初球空振り、二球目ボール、三球目空振りから四球目を見逃し三振に倒れる。続く2回、先頭の松元三彦が中前打で出塁、二盗を試みるがバッキー・ハリスの強肩にタッチアウト、二死後九番岡田源三郎はボール、ボール、見逃し、ボール、見逃しから二球ファウルで粘って八球目を叩いて遊ゴロに終わる。

 イーグルスは3回、二死後野村実の遊ゴロをショート浜崎が一塁に悪送球して野村は二塁に進み、太田健一がワンツーからの四球目を中前にタイムリー、1点を先制する。浜崎は1回に続き2個目のエラー、金鯱は4回からサード岡野八郎がショートに回り浜崎はセカンドへ、キャッチャー松元がサードに回りセカンド岡田源三郎が下がって長島進が入りキャッチャー。

 金鯱は5回、この回先頭の岡野が右前打、一死後小林茂中前打、中山が右前にタイムリーを放って1-1の同点、武笠の遊ゴロで中山が二封されて二死一三塁、松元の三塁内野安打で2-1と逆転に成功する。

 イーグルスは6回、この回先頭の太田が初球を左前に運び出塁、四番ハリスが初球を叩いて左中間に二塁打、太田は三塁ベースを蹴ってホームに向かうが7-6-2の中継プレーにタッチアウト。中河美芳左飛、杉田屋守四球で二死一二塁、望月潤一の三ゴロはサード松元から一塁に送球されるがこれをファースト古谷がエラーする間にハリスが還って2-2の同点とする。

 イーグルスは9回、この回先頭の杉田屋がショートへの内野安打で出塁すると代走に中根之を起用、中根はすかさず二盗に成功、キャッチャー長島の送球が逸れる間に三塁に進む。望月四球で無死一三塁、辻信夫が初球をセンターに打ち上げて中根が還り3-2と逆転する。

 金鯱は9回裏、二死から小林茂右前打、中山左前打、武笠四球で満塁とするが最後は松元がツーワンから見逃し三振に倒れて試合終了を告げるサイレンが高々と鳴り響く。金鯱は8回以外毎回走者を出しながら14残塁の拙攻、一方イーグルスは5安打で3得点、イーグルスは無失策、レギュラー内野陣を欠く金鯱は5失策と守備の差が出た試合であった。

 望月潤一は13安打を打たれながら5四球6三振の完投で二連勝、143球の粘投であった。中山正嘉は5安打3四球2三振の完投、3失点で自責点はゼロと投球内容では望月を上回りながら守備に泣く。

 中山正嘉は松山商業時代、昭和10年第21回全国中等学校優勝野球大会の優勝投手。望月潤一も早稲田実業でこの大会に一塁手として出場して準決勝で育英商業に敗退している。本日4打数2安打1打点の三番ライト太田健一とは早実の同期で一緒にイーグルスに入団している。



*三年前に甲子園で活躍した中山正嘉と望月潤一の投げ合いを伝えるスコアブック



2 件のコメント:

  1. 父の初の完投勝利は、チームの堅守によって支えられたものだったのですね。13安打5四球でよく2点までで踏ん張れたと感心します。この試合に大先輩の岡田源三郎監督が選手として
    出ていたのは驚きです。

    返信削除
  2. 岡田源三郎監督は明大監督時代から策士と言われていたようです。早実出身で殿堂入りは岡田氏と王貞治氏の二人だけです。

    返信削除