4月7日 (水)甲子園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 1 1 0 1 0 1 0 6 名古屋 3勝2敗 0.600 森井茂-田中実
0 2 2 0 0 0 0 0 X 4 ジャイアンツ 3勝2敗 0.600 前川八郎-スタルヒン
勝利投手 森井茂 1勝1敗
敗戦投手 前川八郎 1勝1敗
セーブ 田中実 1S
二塁打 (名)大沢清、桝
本塁打 (ジ)中島
名古屋粘って逆転
名古屋は初回、一死後芳賀直一の当りは三塁線にコロコロと転がるゴロ、水原茂はファウルラインの外に出たと見てグラブをとり左手でボールを外にはじき出す。しかし主審川久保はフェアグラウンドでの触球と判定、白球がファウルグラウンドを転々とする間に芳賀は二塁へ進む(三塁線のバントなどでファウルラインぎりぎりのゴロの場合、ファウルグラウンドに出た瞬間左手で外側にはじき出すプレーは昔はよく見られた。一旦ファウルゾーンに出たボールが再びフェアゾーンに戻ってしまうことがあるため三塁手としてはセオリー的なプレーである。土のグラウンド時代によく見られたシーンであるが、グラウンドが整備された人工芝時代になってからはあまり見られなくなった。長嶋もよくやっていたプレーである。本件の場合、芳賀の当りは、切れるか切れないかという軟ゴロがファウルライン沿いに転がったもの。こういうケースではグラウンドの状態によってフェアゾーンに戻ってしまうことがあるため水原は外にはじき出したと考えられる。グラブで処理するとフェアと判定されてしまうかもしれないので、ファウルグラウンドで触球したことを審判にアピールする意味もあり、グラブをはずして左手でファウルグラウンド側にはじき出す訳であるが、主審からもよく見える位置でのプレーであり、川久保の誤審は考えにくく、一塁が間に合わないと判断した水原が一か八かの勝負に出たものではないか。このプレーで水原に失策が記録されているが、これはチト厳しい。現代であれば内野安打が記録されるであろう。しかし当時の記録員は、名手水原だからこそ判断ミスに対して厳しい裁定をくだしたのであろう。ただしこの記録員は委託された新聞記者である可能性が高い。明日8日からは甲子園と洲崎でのダブル開催がスタートするため、公式記録員広瀬謙三氏がこの日だけ甲子園に行ってとんぼ返りする、あるいは大阪に長期出張して洲崎の試合を新聞記者に委託することは考えにくいからである。)。桝嘉一、小島茂男が連続四球で一死満塁、岩田次男が三塁線を破り名古屋が2点を先取。
ジャイアンツは7回、前の回から前川に代わってマウンドに上がったスタルヒンが中前へクリーンヒット。呉波は三塁前に送りバント、サード岩田次男二塁へ送球、しかしスタルヒン懸命のヘッドスライディングで犠打野選となり無死一二塁。次打者は水原、ここでキャッチャー三浦は森井の投球を捕球するやいなや二塁へ牽制、スタルヒン戻れず一死一塁。スタルヒンはまだ若い、しかしその心意気や良し。ジャイアンツも負けじと水原が中前に弾き返し森井をKO。名古屋はリリーフの切り札田中実を投入、田中は筒井に四球を与え一死満塁で二打席目にホームランを打っている中島を迎えるが、落ち着いた投球で5-2-3の併殺に打ち取り役目を果たす。名古屋は8回、牽制死のショックから抜けきらないスタルヒンから先頭の三浦が四球で出塁、志手三振後芳賀の一打はショート白石へのゴロ、お誂え向きのゲッツーコースかと思われたが白石のセカンド送球が逸れて球は外野を転々、ライト中島のカバーも遅れ三浦は三塁へ。茂林寺の千本ノックで鍛えられた白石もまだまだ若い。気を取り直したスタルヒンは当たっている桝を三振に打ち取り二死一三塁、打者は四番の小島次男、ここで一走芳賀がスタート、キャッチャー内堀の送球と同時にの三走三浦は本塁へ突進、ダブルスチールが見事に決まり6-4。田中実は8回9回を三者凡退に抑え見事にセーブをあげる。名古屋の好走塁、好守備が目立った勝利。一方ジャイアンツはスタルヒンと白石の若さが出て痛い敗戦。両名ともこの敗戦を糧として一層の精進に励め。 ジャイアンツは2回、伊藤健太郎四球、白石二ゴロで伊藤二封、永澤富士雄遊失で一二塁のチャンスに内堀保右翼線タイムリーで一点を返し永澤は三塁へ、前川八郎の三ゴロの間に永澤還り同点。名古屋は3回、先頭の桝が左中間をラインドライブで破り二塁打、小島三振後岩田の打球はフラフラと二塁後方へ、セカンド筒井修が飛び込み超ファインプレー、しかしこの隙に桝はハーフウェイから戻るやタッチアップから三塁へ、白木一二の遊ゴロを白石敏男がはじく間に桝が還り3-2。桝の好走塁が生きる。しかしその裏ジャイアンツは、好守備に気を良くした筒井が三塁線を破り出塁、ここで主砲中島治康が左翼越えの大ホームランで4-3と逆転。粘る名古屋は4回、先頭の森井茂が三塁内野安打、一死後志手清彦が三遊間を破り森井は果敢に三塁を奪う。このチャンスに桝が一二塁間を破り4-4の同点。更に6回、またも森井が左前にクリーンヒット、三浦敬一が送って一死二塁、ここで志手に代わり代打の切り札大沢清が一塁線を破る二塁打を放ち5-4と勝ち越し。
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