2010年4月1日木曜日

12年春 タイガースvsセネタース 1回戦

4月1日(木)上井草

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
1 0 0 0 0 0 0 0 0  0 0 0  1 
タイガース 2勝1敗 0.667 御園生崇男-景浦将-若林忠志 

0 0 0 0 0 0 0 0 1  0 0 1X 2 セネタース 3勝0敗 1.000 野口明


勝利投手 野口明 2勝0敗
敗戦投手 景浦将 1勝1敗

二塁打 (タ)伊賀上 (セ)北浦
三塁打 (タ)松木

サイレンは二度
鳴る

 タイガースは初回、二番山口政信が四球で出塁し二盗を決める。続く小島利男が右前タイムリーし1点を先制。御園生崇男はスミ1を守り抜き8回までセネタース打線を3安打無四球無得点に抑え込む。一方野口明も2回以降立ち直り9回までタイガース強力打線を5安打に抑える。9回裏セネタースの攻撃は打順良くトップの中村信一から。中村左飛後、完封を意識した御園生から苅田久徳が四球を選び出塁。尾茂田叶が右翼線安打で続き一死一、三塁。ここでタイガースベンチは御園生をあきらめ、右翼景浦将をマウンドへ送る。御園生はセンターに入りセンター山口はライトへ。尾茂田が盗塁で二、三塁とした後、7回から四番中村民雄に代わりマスクを被る北浦三男が右翼へ飛球を放つ、これが前進守備の山口の頭上を越えて三走苅田は勇躍同点のホームを踏むが、尾茂田は自重して三塁に止まる。北浦は二塁に進み記録は二塁打。しかし続く一死二、三塁のチャンスに綿貫惣司は景浦の剛球に詰まり一邪飛、大貫賢三振で延長へ。

 10回は両軍三者凡退。11回、タイガースは景浦が三前内野安打で出塁するが後続なし。11回裏、セネタースは苅田が左前打で出塁、尾茂田三遊間を破り苅田は一挙三塁へ。中村民は四球で一死満塁とサヨナラの大チャンス。続く綿貫の打球はまたも景浦の剛球に押されてボテボテの当りとなり一二塁間へ。苅田猛然とホームに突っ込む、松木謙次郎捕ってバックホームするが左投げの松木にとっては逆モーションとなり送球はシュート回転して一塁方向に逸れる。キャッチャー門前真佐人は左足をホームにつけ懸命に右サイドに体を伸ばす、苅田フックスライディング、松木の送球が間一髪早く、門前の足がホームから離れていないことは主審池田が確認しておりアウト。このシーンは翌日の読売新聞に写真付きで紹介された(河野安通志が丹念に作成していたスクラップブックを河野の死後鈴木竜二(元セリーグ会長)が買い取り、鈴木より野球体育博物館に寄贈されており、現在、野球体育博物館の図書館でそのコピーが閲覧できます。)。二死満塁から大貫中飛に倒れセネタースは絶好のチャンスを逃す。

 12回表、タイガースは三者凡退、野口明は2回から11イニング連続無得点に抑える。セネタースは12回裏、一死後横沢七郎の遊ゴロを名手岡田宗芳が一塁に悪送球。野口明四球、中村信左前打で一死満塁。タイガースは景浦をライトに戻し山口がレフトへ、レフト藤井がファーストに入りファースト松木に代わり若林がリリーフで登場。期待の苅田は二飛に倒れ二死満塁、尾茂田

 セネタースの勝因は12回を投げ抜き6安打6四球4三振の完投で開幕2連勝を飾った野口明の奮闘に尽きるが、見逃してはならないのがその野口明を含む守備陣の活躍、2回は一死一塁で岡田のピッチャーライナーを野口明が好捕し一塁へ転送、5回は一死満塁から小島の投ゴロを1-2-3、8回は一死一塁からまたも小島のニゴロを4-6-3と三つのダブルプレーを完成して延長12回のサヨナラ勝ちを呼び込む。
の当りはライトに戻った景浦の頭上へ、景浦バックして柵寸前で捕球。かに見えたがボールはグラブからこぼれ落ちる。横沢七が生還してサヨナラで終止符が打たれ、サイレンが鳴り響く。ところがタイガースベンチは景浦の捕球を主張して猛然と抗議、15分間の協議の末タイガースベンチの主張は退けられ、正式にセネタースのサヨナラ勝ちが認定されて試合終了を告げるサイレンが再び鳴り響く。

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