7月29日 (水) 西宮
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 0 1 2 0 4 阪急 30勝27敗2分 0.526 笠松実
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 大洋 32勝23敗4分 0.582 野口二郎 古谷倉之助
勝利投手 笠松実 9勝11敗
敗戦投手 野口二郎 21勝10敗
二塁打 (急)中村2、中島 (大)野口明
勝利打点 なし
笠松実、無四球完封
大洋は初回、先頭の中村信一が左前打で出塁、濃人渉は二飛、浅岡三郎の三振の際に中村が二盗に成功、「打走法」崩れの可能性がある。続く野口二郎は三ゴロに倒れて無得点。
大洋は2回、先頭の野口明が中前打で出塁、しかし村松長太郎は二飛、山川喜作は左飛、佐藤武夫も左飛に倒れてこの回も無得点。大洋は序盤で先頭打者が出ながら得点に結びつけることができず、これが苦戦の原因となった。
阪急は5回、先頭の中村栄が右中間に二塁打、笠松実の投前送りバントをピッチャー野口二郎が三塁に送球するがセーフ、犠打と野選が記録されて無死一三塁、フィールディングの巧い野口二郎としては珍しいミスであった。続くフランク山田伝の打席でディレード気味にダブルスチールを試みるがキャッチャー野口明からの送球を野口二郎がカット、三塁走者を制しながら二塁に送球して笠松はタッチアウト、山田は浅い中飛に倒れて二死三塁、しかしここでコントロールのいい野口二郎が痛恨のワイルドピッチ、三塁から中村栄が還って1-0とする。
阪急は7回、先頭の森田が左前打、日比野武が送って一死二塁、中村栄がライト線に2打席連続となる二塁打を放ち2-0とする。
大洋は8回から野口二郎をライトに回して古谷倉之助が登板する。
阪急は8回、一死後黒田健吾が四球を選んで出塁、小田野柏が右前打を放って一死一二塁、中島喬がレフト線に二塁打を放ち3-0、一死二三塁から森田定雄の右犠飛で4-0として試合を決める。
阪急先発の笠松実は6回に先頭の織辺由三に左前打、7回には野口明に中越え二塁打を許すが何れも後続を抑え、4安打無四球2三振の完封で9勝目をあげる。笠松は今季4度目の完封勝利であるが過去の完封は、4月に2回、5月に1回であり、5月24日以来約2か月ぶりとなった。
野口二郎の最初の失点はフィルダースチョイスとワイルドピッチによるもの、野口らしくない失点で大洋が敗れ去ったゲームであった。
この試合で勝利打点は記録されないが、「真の殊勲者」が2本の二塁打を放ちいずれも得点に結びつけた中村栄であったのは言うまでもないところである。
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