2015年6月6日土曜日

17年 阪急vs南海 8回戦


7月27日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 阪急 29勝27敗2分 0.518 森弘太郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 南海 32勝28敗 0.533 石田光彦

勝利投手 森弘太郎 15勝8敗
敗戦投手 石田光彦   5勝7敗

二塁打 (急)黒田、山田 (南)中野

勝利打点 黒田健吾 5


森弘太郎、今季3度目の完封

 4回まで毎回走者を出しながら無得点だった阪急は5回、先頭の森弘太郎が四球を選んで出塁、トップに返りフランク山田伝の打席でキャッチャー八木進からの一塁牽制が低く逸れる悪送球となって森は二進、山田は右飛に倒れ、上田藤夫の三ゴロの間に森は三進、黒田健吾がレフト線に先制タイムリーを放って1-0とする。これが決勝点となった。

 森弘太郎が久々に好投を見せた。初回は三者凡退、2回は二死後中野正雄にレフト線二塁打を許すが石田光彦を遊ゴロに打ち取り、3回も三者凡退。4回は二死後岩本義行に中前打を許すが国久松一を三ゴロに打ち取り、6回は先頭の徳島忠彦を遊失に生かし、柳鶴震に送られて一死二塁と初めてスコアリングポジションに走者を背負うが猪子利男を三ゴロ、北原昇を遊ゴロに打ち取る。

 7回は先頭の岩本を四球で歩かせるが、国久を三ゴロ、中野を二ゴロ、石田も三ゴロに打ち取り、8回も先頭の八木に代わる代打岡村俊昭を四球で生かすが、徳島を投ゴロ併殺に打ち取る。直後に柳に左前打を許すが、柳の二盗をキャチャー日比野武が刺した。9回、一死後北原に三塁内野安打を許すが、岩本の三ゴロで北原は二封、岩本の盗塁を又も日比野が刺して試合終了。

 森弘太郎は4安打2四球2三振で今季3度目の完封、15勝目をあげる。


 南海は7月だけで5回目の完封負けを喫した。6月までは3回しかなかった訳で、7月に入って極端に不振に陥っている。


 阪急の勝因は森の好投に尽きるが、見逃せないのは井野川利春監督の采配で、8回の守備で先頭の岡村を四球で出したところでキャッチャーを池田久之から日比野武に替えたことである。日比野がこの後2つの盗塁を阻止したことはお伝えしたとおりです。日比野は戦後、西鉄のベテランキャッチャーとして昭和33年の日本シリーズで新進気鋭の和田に代わってキャッチャーに起用されて稲尾を甦らせ、3連敗から4連勝の隠れた立役者となるが、この試合がそのリハーサルだったようです。


 三原脩は著書「勝つ 戦いにおける‟ツキ”と‟ヨミ”の研究」で、「捕手はチームの運命を変える・・・それを痛感したのは、昭和33年の巨人との日本シリーズのときだった。」と書いている。第4戦の先発メンバーではキャッチャーは和田であったが、第一打席で和田に代打花井悠、更に代打の代打関口を起用し、2回の守備からセカンドの仰木に代えて日比野を起用してキャッチャー、代打の関口をレフトに入れて、レフト玉造に代えて小淵を起用してセカンドという布陣を敷いて、3連敗から4連勝の大逆転に結びつけたのである。






*西鉄時代の日比野武のサイン。








*和田博実のサインカード。「ライオンズ・メモリアル」より。











*昭和33年日本シリーズ第4戦でキャッチャーを和田から日比野に代えた三原脩監督のサイン。











 

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