2014年9月14日日曜日

17年 朝日vs巨人 1回戦


4月4日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計
2 0 1 1 1 0 0 0  0  5 朝日 1勝5敗 1.667 内藤幸三 林安夫
0 1 0 0 0 2 0 0 3X 6 巨人 4勝2敗 0.667 泉田喜義 多田文久三

勝利投手 多田文久三 1勝0敗
敗戦投手 林安夫        0勝3敗

二塁打 (朝)内藤 (巨)楠
三塁打 (巨)中島

勝利打点 楠安夫 1

ファインプレー賞 (巨)白石敏男 1


広田のボーンヘッド

 朝日は初回、一死後五味芳夫がストレートの四球を選んで出塁、広田修三の投ゴロで五味は二進、岩田次男が中前に先制タイムリーを放って1-0、岩田が二盗を決めて鬼頭政一は四球を選び二死一二塁、内藤幸三が一塁線を抜く二塁打を放ちこの回2点を先制する。

 朝日は2回、二死後坪内道則が四球を選ぶと二盗に成功、五味の遊ゴロをショート白石敏男が一塁に悪送球、この隙を突いて二走坪内が三塁ベースを蹴ってホームを狙うが白球を拾い上げたファースト川上哲治からの送球にタッチアウト。

 巨人は2回、先頭の中島治康が右中間に三塁打、楠安夫の中犠飛で1点を返す。呉波が死球を受けて出塁、坂本茂は中飛に倒れるが泉田喜義がストレートの四球で歩き二死一二塁、朝日ベンチはここで早くも先発の内藤をあきらめて林安夫をマウンドに送り、林が白石を三飛に打ち取り追加点を防ぐ。

 朝日は3回、一死後岩田が四球で出塁、鬼頭の三ゴロでランナーが入れ替わり、林が右前にプロ入り初安打を放って二死一三塁、伊勢川真澄のレフト線タイムリーで3-1とする。更に野本良雄も四球を選んで二死満塁、巨人ベンチは先発の泉田から多田文久三にスイッチ、室脇正信は三ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

 朝日は4回、先頭の坪内がレフト線にヒット、坪内が二盗を決め、五味が四球を選んで無死一二塁、広田の三ゴロで五味が二封されて一死一三塁、岩田の打球は三塁後方へのファウルフライ、サード水原茂が背走してキャッチした刹那、三走坪内がタッチアップからホームイン、「三邪犠飛」が記録されて4-1とする。朝日の積極的な走塁が目立つ。

 朝日は5回、先頭の林が四球を選んで出塁、伊勢川が送って一死二塁、野本は三振に倒れるが、室脇が中前にタイムリーを放って5-1と突き放す。


 朝日は着々と得点を積み重ね、2回途中からリリーフした林安夫のプロ入り初勝利が見えてきた。


 朝日は6回、一死後広田が四球で出塁、岩田は三飛に倒れるが広田が二盗に成功、鬼頭も四球を選んで二死一二塁、林がストライク2球からファウルを放ち3球ボールが続いたところで二走広田がボールカウントを間違えて四球と思い三塁に走り、キャッチャー楠からの送球にタッチアウト、記録は盗塁失敗となるが広田のボーンヘッドが試合の流れを変えてしまった。

 巨人は6回裏、先頭の川上が中前打で出塁、中島は左飛に倒れるが楠が四球を選んで一死一二塁、呉が左前にタイムリーを放って2-5、レフト室脇が打球を後逸する間に一走楠も還って3-5と追い上げる。

 朝日は7回、先頭の林が四球で出塁すると伊勢川が型通りに送って一死二塁、しかし後続なく、巨人も7回裏、一死後川上が遊失に生きるが中島の二ゴロが「4-6-3」と渡ってゲッツー。

 8回も両軍得点なく、朝日9回二死からの伊勢川の三遊間への当りもショート白石が鮮やかにバックハンドで捌くファインプレーに阻まれ無得点。

 巨人は9回裏、先頭の白石が四球を選んで出塁、水原のショートへの内野安打で無死一二塁、伊藤健太郎の捕前バントをキャッチャー伊勢川が三塁に送球するがセーフ、痛恨の野選となって無死満塁、伊藤に代えて代走に林清一を起用、川上はストレートの押出し四球で4-5と1点差、中島の遊ゴロはショート五味がバックホームして三走水原は本封、一死満塁となって楠が右翼線に逆転サヨナラ二塁打を放ち巨人が6対5で朝日を降し、林安夫のプロ入り初勝利はお預けとなった。


 広田修三のボーンヘドが試合の流れを逆流させた。楠安夫は朝日の積極的な走塁に4盗塁を許したが、広田を三塁に刺してからはラッキーボーイに転向して逆転サヨナラ打につなげたのである。広田のボーンヘッドは、フレッド・マークルと共に語り継がれるであろう。既報のとおり、物資欠乏は甚だしく関西の試合は読売新聞では試合内容が伝えられていません。当ブログのスコアカード解読だけが頼りです。





*問題の場面は6回に起きます。林安夫のカウントはまだツーストライクスリーボールでしたが二走広田修三が四球と勘違いして三塁に歩き刺されてしまったものです。記録は盗塁失敗でした。










*「雑記」欄には「林四球と思って走る。」と書かれています。「広田のボーンヘッド」の物的証拠となります。














 

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