2014年9月10日水曜日

17年 阪神vs巨人 1回戦


4月3日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 1 0 0 1 0 0 0 0 3 阪神 4勝1敗 0.800 御園生崇男 三輪八郎 若林忠志
1 0 1 2 0 1 0 0 X 5 巨人 3勝2敗 0.600 中尾輝三 広瀬習一

勝利投手 広瀬習一 2勝1敗
敗戦投手 若林忠志 3勝1敗

二塁打 (神)上田
本塁打 (巨)伊藤 1号

勝利打点 なし

ファインプレー賞 (神)金田正泰 1


伝統の一戦

 阪神vs巨人の1回戦は午後3時10分、二出川延明主審の右手が上がりプレイボール。物資欠乏は著しく、読売新聞には関西の試合の経過について書くスペースがないようで、翌日の読売新聞にはテーブルスコアのみ記載されており試合内容については書かれていない。昭和17年の伝統の一戦1回戦は、72年の時を経て、当ブログが初めてその全貌を明らかにすることとなった。

 阪神は初回、先頭の上田正が四球を選んで出塁、金田正泰の送りバントは野選を誘い無死一二塁、次のプレーについては記録マニアの間では物議を醸すかもしれない。カイザー田中義雄の三前送りバントでサード水原茂は二塁に送球して一走金田を封殺した。一死一三塁となったが田中のバントには「犠打」が記録されている。筆者も正解は分かりません。多分「犠打ではない無い」と思いますがいかがでしょうか。ということで一死一三塁、土井垣武の中犠飛で1点を先制する。勿論この時期には公式記録では「犠牲フライ」は記録されていませんので土井垣の「犠飛」は当ブログ独自の記載である事は既報のとおりです。田中のバントが「犠打」として記録されているので公式記録ではこの回の犠打は2個、当ブログの見解では田中は犠打ではなく土井垣は犠飛なので2個、田中のバントが犠打であれば実質1イニング3犠打が記録されたことになる。

 巨人は1回裏、先頭の白石敏男がストレートの四球で出塁、水原の右前打で白石は三塁に進んで無死一三塁、伊藤健太郎の三ゴロで水原が二封されて伊藤は一塁に生きるが三走白石は動かず一死一三塁、川上哲治の一ゴロの間に白石が還って1-1の同点とする。

 阪神は2回、先頭の玉置玉一がレフト線にヒット、野口昇が送って一死二塁、高山泰夫がストレートの四球を選んで一死一二塁、三輪裕章の代打松本貞一は三振に倒れるが、トップに返り上田がレフト線に二塁打を放って2-1と勝ち越す。

 巨人は3回、白石、水原が連続遊ゴロに倒れた二死後、伊藤がレフトスタンドに同点ホームランを放って2-2とする。

 阪神は4回から先発の御園生崇男をレフトに回し、レフトの高山に代えて三輪八郎をマウンドに送る。

 巨人は4回、先頭の中島治康が四球で出塁、楠安夫は右飛に倒れ呉波の二ゴロで一走中島は二封、坂本茂が左前打を放って二死一二塁、中尾輝三が二塁に内野安打、セカンド平林栄治が一塁に悪送球する間に二走呉が快足を飛ばしてホームに還り3-2と勝越し、トップに返り白石の右前タイムリーで4-2とする。阪神ベンチはここで三輪八郎を下げて三番手として若林忠志をマウンドに送り、水原は二ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

 阪神は5回、一死後金田がストレートの四球を選んで出塁、田中の二ゴロでランナーが入れ替わり、土井垣はストレートの四球、御園生崇男もストレートの四球を選んで二死満塁、ここで三走田中が単独ホームスチールを決めて3-4とする。玉置もストレートの四球で二死満塁、巨人ベンチは中尾から広瀬習一にスイッチ、野口は三ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。阪神としてはせめて同点には追い付いておきたいところであった。

 巨人は6回、先頭の坂本がストレートの四球で出塁、広瀬の右前打で無死一二塁、トップに返り白石の打席で一走白石がキャチャー田中からの牽制に刺されて一死二塁、白石の中飛はセンター金田がファインプレー、この美技に対して今季初の「ファインプレー賞」が贈られた。水原が四球を選んで二死一二塁、伊藤の右前タイムリーで5-3と突き放す。


 5回途中からリリーフのマウンドに立った広瀬習一は4回3分の1を1安打無四球3三振無失点の好投で2勝目をあげる。










 

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