3月18日 (月) 西宮
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 1 0 0 0 0 0 2 タイガース 2勝1敗 0.667 三輪八郎 釣常雄 木下勇
0 0 0 0 0 0 0 5 X 5 金鯱 1勝2敗 0.333 松元三彦
勝利投手 松元三彦 1勝0敗
敗戦投手 木下勇 1勝1敗
二塁打 (タ)堀尾、木下 (金)野村
勝利打点 森田実 1
石本マジック
金鯱は昨年38打数4安打の森田実を開幕から五番に起用している。森田は抜擢に応えて5打数2安打、2打数1安打と結果を出しており本日は四番に大抜擢された。金鯱は岡田源三郎監督から石本秀一監督に交代したが、中山正嘉、古谷倉之助で連敗した第三戦の先発に何と松元三彦を起用してきた。タイガース打線を熟知した石本監督ならではの用兵でしょうか。
タイガースは2回、先頭の松木謙治郎が四球で出塁すると二盗に成功、カイザー田中義雄が左前打を放ち無死一三塁、岡田宗芳は二飛に倒れるが森国五郎の遊ゴロで田中が二封される間に松木が還って1点を先制する。
金鯱は3回、一死後五味芳夫が四球を選んで出塁、トップに返り佐々木常助が中前打、上野義秋が四球を選んで一死満塁、タイガースの新監督松木謙治郎はここで先発の三輪八郎をあきらめて釣常雄をリリーフに送る。濃人渉の初球、釣の投球はボール、ここで松木監督は釣から木下勇にスイッチ、当時は打者一人に投球完了しなくても交代できたようです。濃人は三飛に打ち取られ、森田は二飛に倒れてタイガースの継投策が効を奏す。
タイガースは4回、先頭の田中が四球で出塁、岡田も四球を選んで無死一二塁、森の一前送りバントをファースト上野が一塁ベースカバーのピッチャー松元に悪送球する間に田中が還って2-0としてなお無死一三塁、木下の捕邪飛はスクイズ失敗の可能性がある。富松信彦が四球を選んで一死満塁、トップに返りジミー堀尾文人は浅い右飛、皆川定之は二飛に倒れて追加点はならず。
タイガースは5回~7回も走者を出すが無得点。一方、木下は素晴らしいピッチングで7回まで一人の走者も許さず14人連続凡打に打ち取る。タイガースの8回は三者凡退。
金鯱は8回裏、先頭の松元の遊ゴロをショート皆川がエラー、久々のセットポジションとなった木下のリズムが狂ったのか五味は四球、トップに返り佐々木が死球を受けて無死満塁、ここで石本監督は上野に代えて代打古谷倉之助を起用、古谷は期待に応えて右前に同点タイムリーを放ち2-2、ライト森からの返球をセカンド本堂保次が逸らす間に一走佐々木は三塁、打者走者古谷は二塁に進んで無死二三塁、濃人は三振に倒れて一死二三塁、ここで四番森田が中前に決勝の2点タイムリーを放って4-2、野村高義が右中間に二塁打で続いて5-2とする。
タイガースは9回、二死後本堂が四球で出塁、松木が右前打を放ち二死一三塁と最後のチャンスを作るが田中が左飛に倒れてゲームセットを告げるサイレンが高々と鳴り響く。
松元三彦は6安打6四球1死球1三振の完投で1勝目をあげる。捕手としての出場が多い松元は4年間のプロ生活で通算2勝をあげている。1勝目は昭和12年春季リーグ戦のセネタース7回戦で終盤4イニングをリリーフしてのもので1対6で負けていたところ9回裏に6点を取って7対6で逆転サヨナラ勝ちした試合であった。本日の2勝目がピッチャーとしてはプロでの唯一の完投勝利であり最後の勝利でもあった。
今季タイガースから金鯱に移った石本秀一監督としては快心のゲームであったであろう。代打に起用した古谷倉之助が同点タイムリー、四番に抜擢した森田実が決勝打、松元三彦を先発に起用して完投勝利と用兵がズバリ的中した。「石本マジック」と呼ぶべきでしょう。因みに先月のスポニチの「我が道」は「木内マジック」の木内幸男監督でした。アマチュア野球の監督の生涯が1ヶ月かけて紹介されたのはこれが初めてのことではないでしょうか。
*松元三彦は石本監督の起用に応えて完投勝利を飾る。
*松元三彦に抑えられたタイガース打線。
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