3月17日 (日) 神戸
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 計
2 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 3 南海 2勝0敗1分 1.000 天川清三郎 清水秀雄
0 2 0 0 0 0 1 0 0 0 0 3 セネタース 0勝2敗1分 0.000 野口二郎
二塁打 (南)吉川 (セ)柳、村松
勝利打点 なし
因縁の対決
南海先発の天川清三郎は平安高校時代は昭和13年第24回夏の甲子園優勝投手、セネタース先発の野口二郎は昭和12年第23回夏の甲子園優勝投手。2年連続甲子園優勝投手同士の対決となった。
南海は初回、一死後上田良夫が中前打で出塁、国久松一が四球を選んで一死一二塁、吉川義次が左中間に二塁打を放って二者を迎え入れて2点を先制、吉川は三塁を欲張って「7-6-2-5」でタッチアウト。2回も末崎隆行が中前打、天川が左前打と連打で無死一二塁、しかし末崎は野口-苅田の牽制にタッチアウト、藤戸逸郎、岩出清は連続三振に倒れる。
セネタースは2回裏、一死後柳鶴震が左中間に二塁打、小島二男の三前送りバントが内野安打となって一死一三塁、村松長太郎が右中間に二塁打を放って2-2の同点に追い付く。しかし織辺由三の遊直に村松が戻れずダブルプレー。両チームとも2点を取ったが追加点のチャンスを逃した。
南海は3回、先頭の上田が四球を選んで出塁、この四球の打席で上田は捕邪飛を打ち上げたがキャッチャー小島が落球した。小島にはエラーが記録されている。国久の一二塁間の当りが内野安打となりファースト石井豊から一塁ベースカバーに入ったピッチャー野口への送球が悪送球となる間に一走上田は三塁に進んで無死一三塁、国久が二盗を決めて無死二三塁、吉川は遊ゴロに倒れるが岡村俊昭のタイムリーで3-2としてなお一死一三塁、しかし山尾年加寿の三塁小フライに国久は戻れずダブルプレー。これはスクイズ失敗かもしれないがスコアカードの記載だけでは不明。
セネタースは6回までランナーを出しながら無得点。セネタースは7回、柳鶴震が四球で出塁、小島が送って一死二塁、村松が左前に同点タイムリーを放って3-3に追い付く。村松はセネタースの全打点を叩き出した。天野はここで降板、清水秀雄がリリーフに登場する。織部が四球を選んで一死一二塁、ダブルスチールを決めて一死二三塁、西岡義晴は三振に倒れるが横沢七郎が四球を選んで二死満塁、しかし三番苅田久徳は三振に倒れる。尾茂田叶を応召で欠いた影響が見られる。
セネタースは8回も先頭の野口が左前打、石井、柳が連続四球を選んで無死満塁、しかし小島は三振、村松も三振、織部は右飛に倒れてスリーアウトチェンジ。
南海は9回、一死後末崎が四球で出塁、清水が右前打を放って一死一三塁、藤戸の三ゴロで末崎が突っ込むがサード横沢のバックホームにタッチアウト、岩出は三振に倒れる。
南海は延長11回、先頭の岡村が中前打で出塁、山尾の投ゴロでランナーが入れ替わり、末崎の左前打で一死一二塁、清水は左飛に倒れるが藤戸が死球を受けて二死満塁、しかし岩出に変わる伊藤経盛は三振に倒れる。
セネタースの11回裏は三者凡退、延長11回引き分く。
天川清三郎は6回3分の1で降板して5安打4四球無三振3失点。野口二郎は11回を完投して14安打3四球1死球11三振3失点であった。
野口二郎は中京商業時代、昭和12年第23回夏の甲子園と昭和13年センバツの優勝投手で三連覇を賭けた13年夏は予選で敗退して出場できなかった。その13年夏の甲子園の優勝投手が平安高校の天川清三郎である。この大会の決勝戦は平安が岐阜商業を2対1で破って優勝した。当時は愛知県代表と岐阜県代表が戦って東海代表として甲子園に出場している。予選を勝ち抜いて東海代表として中京商業が出場していれば同ブロックの岐阜商業に代わって甲子園の決勝で平安高校との対決が見られたかもしれない。そうなっていれば天川清三郎と野口二郎の対決が甲子園決勝で見られていたこととなる。因縁の対決がプロで実現した。天川は昨年5回先発しておりセネタース戦の先発は2回あったがセネタースの先発投手は浅岡三郎と金子裕であった。8月4日の7回戦では天川が延長11回を完投して2対2で引き分けており9回途中から金子をリリーフした野口二郎と3イニングを投げ合った場面が見られたが、先発同士の対戦は本日が初となる。天川は今年あと5回先発することとなり、セネタース戦は3回を数えることとなるがが野口二郎との対戦は無かった。すなわち野口二郎との投げ合いは2戦2引分けである。天川は今季終了後兵役に就き戦死することとなる。野口二郎と天川清三郎との勝負は永遠に引分けのままとなったのである。
*野口二郎と天川清三郎による因縁の対決はまたしても引分けに終わった。
*村松長太郎がセネタースの全打点となる3打点を叩き出す。
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