１５年 ジャイアンツvs 南海 ２回戦

3月20日 （水） 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 1 0 0 1 0 2 3 8 ジャイアンツ ２勝２敗 0.500 楠安夫 川上哲治
0 0 0 2 0 0 0 0 0 2 南海 　　　　  ２勝２敗１分 0.500 清水秀雄

勝利投手 川上哲治 １勝０敗
敗戦投手 清水秀雄 １勝１敗

二塁打　（ジ）水原　（南）末崎２
三塁打　（ジ）白石　（南）清水

勝利打点　千葉茂　１


千葉、水原の一二番コンビが2打点ずつ

　明日にダブルヘッダーを控えるジャイアンツは楠安夫が先発する。一方、南海はデビュー戦を完封で飾りプロ入り以来13回3分の2連続無失点を続ける清水秀雄が三度目の登板。

　ジャイアンツは2回、先頭の白石敏男が左中間に三塁打、林清一が右翼線にタイムリーを放ち1点を先制、清水はプロ入り初失点となった。

　ジャイアンツは3回、先頭の水原茂が左翼線にヒット、中島治康の遊ゴロでランナーが入れ替わり、川上哲治四球で一死一二塁、平山菊二が中前にタイムリーを放って2-0とする。

　南海は初回、一死後上田良夫が四球で出塁、二死後吉川義次が中前打を放つが岡村俊昭は三振に倒れる。2回、二死後末崎隆行が左中間に二塁打、戸田与三郎が中前にプロ入り初安打を放ち、岩出清が四球を選んで二死満塁、しかし上田は右飛に倒れる。3回、先頭の国久松一が四球を選び二盗を決めるが後続なし。

　南海は4回、一死後末崎が左中間に2打席連続二塁打、戸田が四球を選び、岩出の二ゴロをセカンド千葉茂がショート白石に送球するが白石が落球する間に二走末崎が還って1-2、ジャイアンツベンチはここで先発の楠をあきらめ、ファーストの川上をマウンドに送り、ファーストには永澤富士雄が入る。上田に代わる代打天川清三郎が川上の代わばなを叩いて右前打を放って一死満塁、国久の三ゴロ併殺崩れの間に三走戸田が還って2-2の同点に追い付く。更に国久が二盗を決めて吉川が四球を選び二死満塁とするが、岡村は遊ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

　南海は5回、先頭の清水が右中間に三塁打を放つが山尾年加寿は浅い左飛、末崎、戸田は連続三振に倒れる。

　ジャイアンツは6回、平山、白石、林が3連続四球で無死満塁、吉原正喜は遊飛に倒れ、永澤の一ゴロで三走平山は本封されて二死満塁、トップに返り千葉が二遊間に内野安打を放って3-2と勝ち越す。

　南海は6回裏、先頭の岩出が右前打で出塁するが、藤戸逸郎は左邪飛、国久、吉川は連続右飛に倒れる。7回は清水が四球に歩き、山尾の二ゴロでランナーが入れ替わり山尾が二盗を決めるが末崎は三振。

　ジャイアンツは8回、先頭の吉原が四球から二盗に成功、千葉も四球を選び、水原の左中間二塁打で二者還って5-2と突き放す。

　ジャイアンツは9回、平山、白石が連続内野安打、林に代わる代打鈴木田登満留が四球を選んで無死満塁、吉原の左前タイムリーで6-2、永澤の遊ゴロ併殺の間に白石が還って7-2、この場合永澤には打点は記録されない。トップに返り千葉が右前にタイムリーを放って8-2として試合を決める。

　南海は8回、一死後岩出の三ゴロをサード水原がエラー、藤戸が四球を選んで一死一二塁とするが国久の遊ゴロは「6-4-3」と渡ってダブルプレー。9回も先頭の吉川が四球で出塁するが平野正太郎に代わる代打深尾文彦のプロ入り初打席は中飛、清水の投直に一走吉川が飛び出しダブルプレーとなってゲームセット。

　川上哲治の軟投は南海打線を抑え切り、5回3分の2を3安打4四球3三振無失点で1勝目をあげる。

　清水秀雄は9回を完投して11安打10四球1死球10三振であった。一試合で被安打、与四球、奪三振が全て二桁はプロ野球史上初の記録かもしれない。

　2回に中前打を放った戸田与三郎は通算30打数1安打でプロ野球を去ることとなるのでこの日のヒットがプロでの唯一のヒットであった。

　南海は毎回走者を出しながら13残塁を記録する。一方、ジャイアンツは中島が5打数無安打、川上も4打数1安打に終わったが千葉、水原の一二番コンビが2打点ずつを記録し、平山、林、吉原の脇役陣も打点を記録するなど、上位下位万遍なく打ち捲って快勝し星を五分に戻した。








　　　　　　　　　　　　　　　＊リリーフで登板した川上哲治が今季初勝利を飾る。

　　　　　＊上位下位万遍なく打ちまくるジャイアンツ打線。