3月26日 (火) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 3 2 0 0 0 0 0 0 5 阪急 4勝4敗 0.500 森弘太郎
0 0 0 2 0 0 2 0 0 4 イーグルス 3勝5敗1分 0.375 亀田忠 長谷川重一
勝利投手 森弘太郎 3勝1敗
敗戦投手 亀田忠 2勝3敗
二塁打 (阪)山田 (イ)中河、岡田
三塁打 (阪)山下好
本塁打 (阪)山下実 1号
勝利打点 山下実 1
山下実先制スリーラン
阪急は初回、一死後センターに戻ったフランク山田伝が左中間に二塁打、しかし亀田忠からの牽制球にタッチアウト。翌日の読売新聞によるとイーグルスは小田原のキャンプで二塁牽制の練習を積んできて今季度々成功させているとのこと。ショート山田潔の動きがいいので成功していると考えられる。25日のタイガース戦6回、本堂保次を中河-山田で、24日の南海戦2回、戸田与三郎を亀田-山田で、9回にも吉川義次を亀田-山田のコンビで二塁に刺している。
阪急は2回、先頭の山下好一が7球粘って四球で出塁、続く井野川利春も8球粘って四球を選んで無死一二塁、ここで亀田が再度二塁牽制を試みるがこれは悪送球となって山下好一は三塁に進み井野川も二盗を決めて無死二三塁、山下実が3球ファウルで粘って8球目をライトスタンドに大ホームラン、3点を先制する。
阪急は3回、先頭の山田が四球で出塁、黒田健吾の二ゴロの間に山田は二進、山下好一が右中間に三塁打を放って4-0、井野川が中前にタイムリーを放って5-0とする。続く山下実が四球を選んだところでイーグルスベンチは亀田をあきらめて長谷川重一をリリーフに送る。上田藤夫が右前打を放って一死一二塁、しかし伊東甚吉は遊飛、森弘太郎は三振に倒れてスリーアウトチェンジ。
イーグルスは4回、先頭の岩垣二郎が中前打で出塁、中河美芳が左中間に二塁打を放って岩垣を迎え入れ1-4、一死後長谷川が右前にタイムリーを放って2-4とする。
イーグルスは7回、一死後竹内功が右翼線にヒット、清家忠太郎が中前打を放って無死一二塁、山田に代わる代打菅利雄の三ゴロの間に二者進塁して二死二三塁、トップに返り岡田福吉が右中間を抜いて2点を返し4-5とするが岡田は三塁を欲張り「9-4-5」と送球されてタッチアウト。阪急はセカンドに伊東甚吉が戻ってきており山田伝ならこうはいかなかったかもしれない。
阪急は9回、先頭の山田が四球で出塁、黒田の一直に山田は戻れずダブルプレー、中河が無補殺併殺を記録する。
イーグルスは9回裏、一死後寺内一隆が中前打で出塁、竹内の二ゴロを伊東がエラーして一死一二塁、しかし清家の投ゴロは「1-6-3」と渡ってダブルプレーで試合終了。
森弘太郎は8安打1四球1三振で粘りの完投、3勝目をあげる。
阪急守備陣は4つのエラーを記録したが、エラーで出した3人のランナーは全て併殺で片づけて失点には結び付けなかった。もう一つのエラーも7回、寺内の捕邪飛を井野川が落球したものでこの打席も寺内を遊ゴロに抑えている。
2回に先制のスリーランを放った山下実は今季22試合に出場するだけで阪急を退団する。昭和17年に名古屋に復帰して1本ホームランを放つこととなるが阪急での本塁打は本日のスリーランが最後のものとなる。
戦前のホームランバッターと言えばプロ野球創設以前のベーブ田中こと田中勝雄から宮武三郎、景浦将と山下実だけで、川上哲治は戦前は中距離ヒッター、中島治康も好打者のカテゴリーに入る。左の本格的ホームランバッターは山下実だけだった訳であり、次は戦後の大下弘まで待たねばならない。
*森弘太郎は粘りの完投で3勝目をあげる。
*山下実の阪急での最後のホームランを伝えるスコアカード。
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