5月24日 (金) 西宮
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 2 1 0 0 0 0 3 0 パ軍 7勝10敗1分 0.412 湯浅芳彰 真田重蔵
0 0 2 0 0 0 2 0 X 4 9 阪急 12勝4敗 0.750 森弘太郎 野口二郎
勝利投手 野口二郎 3勝0敗
敗戦投手 湯浅芳彰 1勝3敗
二塁打 (パ)小島
三塁打 (急)日比野
勝利打点 (急)山田伝 1
2本の2点適時打
24日も後楽園で1試合と西宮で2試合。西宮の第1試合は午後1時丁度、杉村主審の右手が上がりプレイボール。三塁塁審は阪急球団職員の片岡勝が務める。
阪急は森弘太郎が戦後初登板初先発。森の登板は昭和18年6月23日の阪急vs西鉄6回戦で先発して以来、約3年ぶりとなる。
また、阪急は四番に森田定雄を起用。森田は今季まだ2試合しか出場していないが3打数2安打を記録している。森田の四番は昭和17年7月21日の阪急vs大洋7回戦以来、約4年ぶりとなる(日本プロ野球私的統計研究会様「スタメンアーカイブ」参照)。
パ軍はこの日も一番に白石、四番に藤井を起用した。阪急は前川と青田を巨人から譲り受けているため文句が言える立場にない。藤本は自伝「覇者の謀略」に「青田と前川については知らぬ顔を決め込んでいる。そのうえ(阪急の=筆者注)村上代表など理事として『藤本はけしからん。白石を巨人へ返せ』などどいっている。そんな身勝手な理屈があってたまるか」と書いている。
森弘太郎は無難な立ち上がりを見せ、初回は三者凡退、2回は先頭の藤井を三振に打ち取り、続く森下に中前打を許すが、辻井を二ゴロ併殺に打ち取り無失点、3回も三者凡退に抑える。
阪急は3回裏、先頭の森が四球を選んで出塁、尾西はサードライナーに倒れ、トップに返り山田伝の右前打で一死一二塁、続く下社も右前打、三塁に進んだ二走森は中継がもたつくのを見てホームに突っ込むが、「9-4-6-2」と転送されてタッチアウト、結果的に森の判断ミスとなったがブランクの影響か。青田が四球を選んで二死満塁、ここで四番に器用された森田が期待に応えて中前タイムリー、二者還って2点をリードする。さすがは当ブログが「最も無名の最強打者」と認定しているクラッチヒッターである。
パ軍は4回表、先頭の白石が死球を受けて出塁、小暮の一ゴロでランナーが入れ替わり、小島の左中間二塁打で小暮が還って1点差、藤井は捕邪飛に倒れるが、ワイルドピッチで小島は三進、森下が右前に同点タイムリーを放ち2-2と追い付く。
阪急は4回裏、一死後日比野の当たりはレフトを超え、日比野は鈍足を飛ばして三塁に駆け込み三塁打、ところが森の投飛に三走日比野は戻れず「1-5」と渡ってダブルプレー。スコアカードに「BT」の表記はないが、スクイズ失敗の可能性が考えられる。いくら日比野が鈍足と言っても、高く上がったピッチャーフライで戻れないことはない。ハーフライナーのような当たりだった可能性はある。
パ軍は5回表、二死後白石が左前打で出塁、小暮の中前打で一走白石が一気にホームに生還して3-2と逆転に成功、ここはエンドランが掛かっていたか、続く小島も中前打を放って二死一二塁、ここで阪急ベンチは先発の森をあきらめ野口二郎をリリーフに送り、藤井は中飛に倒れてこの回1点止まり。
阪急は7回裏、先頭の日比野が左前打で出塁すると代走に西村正夫監督が自ら出陣、野口二郎の左前打で無死一二塁、尾西の投前送りバントが野選を誘って無死満塁、トップに返り山田の初球がボールとなったところでパ軍藤本定義監督は先発の湯浅から真田にスイッチ、スリーボールツーストライクから山田が前進守備の二遊間を破るタイムリー、三走西村監督に続いて二走野口も還って4-3と逆転に成功する。
野口二郎は4回3分の1を2安打1四球無三振無失点に抑えて3勝目をマークする。
阪急は森田定雄と山田伝が放った2本の2点タイムリーで逆転勝ちした。「日本野球年鑑」には、「7回、1点リードしていたパシヒックが満塁の時、前進守備を取った所を山田に抜かれ、折角の勝星を失ったのは惜しかった」と書かれているが、無死満塁の場面での前進守備は致し方のないところではないか。一死満塁なら二遊間は中間守備からセカンドゲッツーを選択する余地はあるが・・・。
この試合はパ軍が「無届け」の白石と藤井を使ったため、後に「没収試合」となる。
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