5月27日 (月) 西宮
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 計
2 0 0 0 2 2 4 0 0 0 0 10 阪急 12勝6敗 0.667 天保義夫 笠松実 前川八郎
1 0 0 0 6 2 0 1 0 0 1X 11 グ軍 8勝8敗 0.500 別所昭 清水秀雄
勝利投手 清水秀雄 4勝2敗
敗戦投手 前川八郎 2勝2敗
二塁打 (急)三木、青田、坂田 (グ)別所、安井、丸山
勝利打点 (グ)丸山二三雄 1
丸山のサヨナラ打で決着
第1試合に1時間53分を要したことから、西宮の第2試合は午後3時25分、天保と別所の先発で試合開始。
阪急は初回、一死後上田が左前打で出塁、青田の三遊間ヒットで上田は三塁に進み一死一三塁、野口明のニゴロで三走上田がホームに突っ込むが、セカンド安井からのバックホームにタッチアウト、二死一二塁から三木のレフト戦二塁打で二者還り2点を先制する。
グ軍は1回裏、先頭の安井の当たりは遊ゴロ、これをショート尾西がエラー、筒井敬三の当りは右前に抜けるがライト髙橋敏が一塁に送球してアウト、このライトゴロの間に安井は三進、岡村の右犠飛で1-2と追い上げる。高橋が記録したライトゴロが波乱の展開の幕開けとなった。
グ軍は2回裏、先頭の堀井が中前打、木村の遊ゴロで堀井は二封、別所の遊ゴロが「6-4-3」と転送されるがファースト野口明が落球してゲッツーならずアウトは木村の二封だけ、八番ファーストに入っている清水秀雄が四球を選んで二死一二塁、天保の二塁牽制が悪送球となって二死一三塁、桶川隆の遊ゴロで清水が二封されてスリーアウトチェンジ。この回のアウトは全て「6-4」の二塁フォースアウトであった。阪急のショート尾西には既に5個の打球が飛んでいる。
グ軍は3回裏、先頭の安井が左前打を放って出塁、筒井は左飛に倒れるが、岡村も中前打を放って一死一二塁、ここで天保の二塁牽制が又も悪送球となってセンターに抜け、二走安井は三塁に進み、バックアップしたセンター山田伝が内野に走ってくると安井はホームに向かって走り出す。これを山田が快足を飛ばして追走、山田はピッチャー方向から回り込んだのか、今度は安井が三塁から二塁ベースに逃げるが山田の方が足が速くタッチアウト、一走岡村は二塁ベースを回っていたが、二塁を踏まずに一塁に戻ってしまいアウトが宣告されてスリーアウトチェンジ。山田に「無捕殺併殺」が記録されたこのプレーは「史上最大の珍プレー」の可能性が高いので、別掲で詳述することとして実況中継を続けます。
阪急は5回表、先頭の天保が四球で出塁、尾西の三ゴロをサード山本一人がエラー、トップに返り山田が四球を選んで無死満塁、上田はストレートの押出し四球を選んで3-1、青田の三ゴロをサード山本が三塁ベースを踏んで二走山田を三封する間に三走尾西がホームインして4-1とリードを広げる。なお一死一二塁から野口明のセカンドライナーに二走上田が戻れず「4-6」と渡ってダブルプレー。
グ軍は5回裏、先頭の清水が右前打で出塁、桶川の投ゴロを天保がこの日3つ目の二塁への送球ミス、トップに返り安井が一塁線にバントヒットを決めて無死満塁、筒井の遊ゴロをショート尾西がエラーする間に三走清水が還って2-4と反撃開始、岡村は三振に倒れて一死満塁、山本の三塁への緩いゴロをサード三木が一塁に送球するがセーフ、山本には内野安打が記録され、この間に三走桶川がホームイン、二走安井も快足を飛ばしてホームに突っ込み、ファースト野口明が本塁に送球するが悪送球となって安井が生還し4-4の同点、一走筒井は三塁に、打者走者の山本は二塁に進んで一死二三塁、堀井の右前タイムリーで5-4と逆転、木村の三ゴロの間に三走山本が還って6-4、別所が左中間にタイムリー二塁打を放ちこの回6点、7-4とする。阪急ベンチはここで先発の天保をあきらめ笠松をリリーフに送り後続を抑える。
阪急は6回表、一死後下社の当りはニゴロ、これをファースト野口明が落球、二死後笠松が四球を選び、尾西に代わる代打荒木茂もストレートの四球で二死満塁、トップに返り山田が中前に2点タイムリーを放ち6-7と1点差に迫る。続く上田に代打野口二郎が起用されるが三ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。
阪急の二遊間は、ショートには代打の荒木がそのまま入り、セカンドには代打した野口二郎に代わって今西錬太郎が入る。昭和22年から2年連続20勝投手となる今西は、この年は内野手として登録されている。4月28日に前川のリリーフで投手としてプロ入り初出場、この日が野手デビューとなった。10月6日の対グ軍15回戦ではスタメンセカンドで出場することになる(日本プロ野球私的統計研究会様「スタメンアーカイブ」参照)。
グ軍は6回裏、先頭の桶川が中前打で出塁、トップに返り安井が右中間に二塁打を放って無死二三塁、筒井は三振に倒れるが、岡村が四球を選んで一死満塁、山本の中犠飛で8-6、二走安井もタッチアップから三進、岡村が二盗を決めて二死二三塁、堀井のニゴロをセカンド今西がファンブル、白球を拾って一塁に送球するがセーフ、今西にエラーが記録される間に三走安井が還って9-6、二走岡村も三塁ベースを蹴ってホームを狙うがファースト野口明からの送球にタッチアウトとなってスリーアウトチェンジ。
阪急は7回表、先頭の青田が中越えに二塁打、一死後三木のスウィングがキャッチャー筒井のミットに当たり打撃妨害、続く下社のカウントがツーボールナッシングとなったところでグ軍ベンチは先発の別所に代えてファーストから清水をマウンドに送るが、下社は四球を選んで一死満塁、坂田のレフト戦二塁打で二者還り8-9と1点差、なお一死二三塁から前川が右前に逆転の2点タイムリーを放ち10-9と試合をひっくり返す。
グ軍は8回裏、先頭の安井が二塁に内野安打、筒井の左飛で安井がタッチアップから二塁に進む好走塁、岡村も左飛に倒れて二死二塁、山本の三ゴロをサード三木が一塁に悪送球する間に二走安井が還って10対10 の同点に追い付く。更に山本が二盗を決め、キャッチャー坂田の二塁送球が悪送球となって山本は三進、しかし堀井は三振に倒れて同点止まり。
9回からは試合が落ち着き11回裏へ。
グ軍は11回裏、先頭の岡村が二塁に内野安打、山本が中前打で続いて無死一二塁、堀井の投ゴロをピッチャー前川は三塁に送球して岡村は三封、一死一二塁となってグ軍ベンチは櫛田由美彦に代えて代打に丸山二三雄を起用、丸山のカウントは1球、2球と外れてツーボールノーストライク、次の3球目に狙いを定めた丸山がバットを振り抜くと打球は右中間を抜けるサヨナラ二塁打、グ軍が激闘を制す。
投手・丸山二三雄はこの年25勝をマークして全盛期を迎えるが、打者・丸山二三雄もこの一打で強烈な印象を残すこととなった。
この試合で阪急は10失策を記録した。その内6個が悪送球、グ軍の足を警戒した結果であろう。10個は全て実況でお伝えしていますので確認してみてください。
色々なことがあって試合時間は2時間5分、試合終了は午後5時30分であった。5月後半の日の入りは午後7時3分くらいなので、まだ球は見える。
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