5月27日 (月) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 0 0 1 0 2 セ軍 7勝9敗 0.438 黒尾重明
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 タ軍 9勝7敗 0.563 呉昌征
勝利投手 黒尾重明 1勝2敗
敗戦投手 呉昌征 3勝1敗
二塁打 (セ)長持、一言
勝利打点 (セ)飯島滋弥 4
飯島が勝負強さを見せる
後楽園の第2試合は、第1試合終了から47分後の2時52分開始。この時点で西宮の第1試合はパ軍最終回の攻撃中でまだ終了していない。
セ軍は開幕から四番には飯島滋弥が座っていたが、この日大下弘がプロ入り初の四番に入った。大下はここまで53打数8安打、打率1割5分1厘で現在5試合連続無安打と低迷を続けており、大下が当たってきたから四番に据えたというよりも、チームが6勝9敗と調子が上がってこないので、横沢三郎監督が何らかのテコ入れが必要と判断して飯島と大下の三、四番を入れ替えたと見るのが妥当であろう。セネタースで四番を打てるのは飯島と大下しかおらず、実際、シーズン終了まで四番を張ったのは飯島と大下だけである(日本プロ野球私的統計研究会様「スタメンアーカイブ」参照)。
セ軍は初回、先頭の一言多十が四球を選んで出塁、横沢七郎は三邪飛に倒れるが、一言が二盗に成功、飯島は左邪飛に倒れて二死二塁、大下のカウントがワンボールツーストライクとなったところで一言が三盗を試みるがキャッチャー池端忠夫からの送球にタッチアウト。ここはツーストライクになったところなので左の大下とは言えこの三盗はあり得る。この辺りにも横沢三郎監督のチーム状況打開策がうかがわれる。
セ軍は2回表、打ち直しとなった大下が中前に6試合ぶりのヒットで出塁、しかし黒尾重明の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。3回も一死後熊耳武彦が中前打、4回も先頭の横沢が四球で歩くが後続なく無得点。
セ軍は5回表、一死後長持栄吉がライト線にライナーの二塁打、熊耳が左前にタイムリーを放ち1点を先制する。
タ軍は5回裏、一死後小俣が四球を選んで出塁、二死後長谷川が右前打、黒尾がボークを犯して二死二三塁、ここで呉昌征が投前にセーフティバント、しかし三走小俣のスタートが遅れて三本間に挟まれ「1-2-5」と転送されてタッチアウト、打者と走者の意思疎通を欠いていたようだ。
タ軍は7回裏、先頭の藤村が四球を選んで出塁、富樫の右前打で藤村は三塁に進んで無死死一三塁、小俣に代わる代打渡辺誠太郎が左前に同点タイムリーを放ち1-1と追い付く。なおも無死一二塁のチャンスが続くが、池端の投前送りバントは正直過ぎて黒尾が三塁に送球、二走富樫は三封され、サード横沢が一塁に送球して池端もアウト、ダブルプレーで二死二塁、長谷川は四球を選んで二死一二塁、呉の捕邪飛をキャッチャー熊耳が落球、呉は命拾いしたが、ここは黒尾が踏ん張り呉は三振、同点止まりに終わる。
セ軍は8回表、一死後一言が右中間をライナーで抜く二塁打、呉の二塁牽制が悪送球となって一死三塁、横沢は投飛に倒れて二死三塁、ここで三番飯島が左前にタイムリーを放ち2-1と勝ち越す。
タ軍は8回裏、一死後御園生が左前打で出塁するが、二死後キャッチャー熊耳が御園生の二盗をを刺してスリーアウトチェンジ。
タ軍は9回裏、先頭の藤村が右前打で出塁、富樫の当りも右前に抜けるが、ライト上口政が一塁に送球して富樫はアウト、ライロゴロが記録されて一死二塁、渡部は四球を選んで一死一二塁、池端の遊ゴロで渡辺は二封されて二死一三塁、代走小林英一が二盗を決めて二死二三塁、しかし長谷川の打球は頭上高く上がり、今度はキャッチャー熊耳ががっちり捕球して試合終了。
黒尾重明は5安打6四球2三振の完投でプロ入り初勝利を飾る。崩れかかる場面もあったが、同点に追い付かれた7回裏二死一二塁で、呉の捕邪飛を熊耳が落球したところで踏ん張り呉を三振に切って取ったところが最大の見せ場であった。
横沢三郎監督は飯島と大下の三、四番を入れ替え、その飯島が決勝打を放った。飯島は4個目の勝利打点を記録して巨人の多田文久三と並んで現在勝利打点トップ。セ軍の新四番大下も2安打を記録して復調の兆しが見えてきた。
*飯島滋弥の連続写真直筆サイン入り。二リーグ分裂後、全盛期の頃の打撃フォーム。
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