2016年8月6日土曜日

18年 朝日vs大和 1回戦


5月23日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 3 0 0 2 0 0 0 0 6 朝日 14勝9敗 0.609 真田重蔵 内藤幸三 林安夫
0 0 0 0 0 0 7 0 X 7 大和 11勝11敗1分 0.500 石田光彦 広島清美 片山栄次

勝利投手 広島清美 1勝0敗
敗戦投手 内藤幸三 3勝2敗
セーブ  片山栄次 1

二塁打 (朝)浅原 (和)渡辺、鈴木

勝利打点 渡辺絢吾 1


大和、奇跡の逆転で5割復帰

 朝日は初回、先頭の坪内道則が四球で出塁すると二盗に成功、続く酒沢政夫がセオリーどおり三前に送りバントを決めて一死三塁、中谷順次の三ゴロで三走坪内がホームにGO、サード大塚鶴雄がバックホームするがセーフ、野選が記録されて1点を先制する。

 朝日は2回、先頭の早川平一が三塁線にセーフティバントを決めて出塁、小林章良は四球、広田修三が中前打を放って無死満塁、真田重蔵が押出し四球を選んで2-0、原秀雄は三振に倒れるが、トップに返り坪内の遊ゴロ併殺崩れの間に三走小林が還って3-0、二死一三塁からダブルスチールを決めて広田が本盗に成功、4-0とする。


 大和は3回から先発の石田光彦を下げて広島清美をマウンドに送る。結果的にこの継投策が効を奏した。


 朝日先発の真田重蔵は乱調なピッチング、初回は3四球を出しながら無失点。2回は1四球、3回は2四球、4回も1四球を出しながら無失点で切り抜け、ここまで無安打7四球無失点。


 朝日は5回、先頭の原が四球で出塁、トップに返り坪内の二ゴロでランナーが入れ替わり、酒沢の一二塁間へのヒットで一死一二塁、ここでダブルスチールを決めて一死二三塁、中谷は浅い右飛に倒れて二死二三塁、浅原直人が左中間に二塁打を放ち二者生還、6-0として試合を決めたかに見えた。


 真田は5回裏、先頭の木村孝平をストレートの四球で歩かせ、苅田久徳に三塁線に初ヒットを打たれたところで降板、内藤幸三が後続をぴしゃりと抑えてこの回も無失点。真田は4回3分の0を投げて1安打8四球1三振無失点であった。


 内藤は6回を三者凡退に抑えて朝日の逃切り濃厚、ところが7回に波乱が起きる。


 6点ビハインドの大和は7回裏、先頭の渡辺絢吾がレフト線に二塁打、トップに返り木村の遊ゴロをショート酒沢が一塁に悪送球して無死一三塁、苅田が四球を選んで無死満塁、金子裕の二遊間ヒットで三走渡辺が還り1点返して1-6、ここで内藤が突然乱れ、小松原博喜が押出し四球で2-6、杉江文二に代わる代打畑福俊英も押出し四球で3-6、畑福の代走に戦場から帰還してきた岡田福吉を起用、続く吉水幸夫も押出し四球を選んで4-6、朝日ベンチは遂にエース林安夫を投入して火消しにかかるが、広島がレフトに犠牲フライを打ち上げて5-6と1点差、二死一二塁から鈴木秀雄が左中間に二塁打を放ち岡田が二塁から還って6-6の同点、岡田福吉にとって3年ぶりのホームベースの感触であった。更に二死二三塁から渡辺の三前内野安打で三走吉水が還り遂に7-6と大逆転に成功する。


 奇跡的にリードを奪った大和は、8回からここまでよく投げてきた広島を下げて片山栄次をマウンドに送り込み、片山が8回、9回を三者凡退に抑えて逃げ切った。


 3回から登板した広島清美は5イニングを投げて3安打2四球1三振2失点と試合を作り、プロ入り初勝利を飾る。広島にとって、これがプロ生活唯一の勝利投手となった。7回の左犠飛で記録した1打点もプロ生活唯一の打点である。公式記録では当時は「犠牲フライ」は記録されておらず、「犠飛」は当ブログが認定したものです。


 敗れた朝日では坪内道則が4盗塁を記録、チームでも2つの重盗を成功させた。


 今季ほとんど固定メンバーで戦ってきた大和はこの試合では延べ16人を注ぎ込む総力戦を展開、戦場から帰還してきた岡田福吉とサム高橋吉雄が今季初出場している。昨シーズン終盤に苅田久徳をプレイングマネージャーに迎えた大和は、苅田イズムが浸透して5月4日以来の5割復帰を果たした。


 なお、この試合途中で「黙悼」が行われ、約5分間試合が中断した。戦死者への哀悼の意を示したものでしょう。




0 件のコメント:

コメントを投稿