5月28日 (金) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 2 1 0 3 阪神 13勝12敗1分 0.520 仁科栄三
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 名軍 15勝9敗2分 0.625 森井茂 野口正明
勝利投手 仁科栄三 1勝0敗
敗戦投手 森井茂 3勝1敗
三塁打 (神)門前
勝利打点 門前真佐人 1
仁科栄三、生涯唯一の完封勝利
阪神は仁科栄三がプロ入り初先発。
阪神打線は6回まで1安打、2度の併殺もあり無得点。
阪神は7回、二死後カイザー田中義雄がレフト線にヒット、大島武に代わる代打門前真佐人が右中間に三塁打を放って1点を先制、乾国雄に代わる代打御園生崇男が左前にタイムリーで続いて2-0とする。阪神の代打攻勢が効を奏した。
阪神は8回、一死後武智修がレフト線にヒット、トップに返り塚本博睦の当りはライト線ヘのポテンヒット、ライト岩本章からの返球をセカンド石丸藤吉が逸らす間に一走武智は三塁に、打者走者の塚本も二塁に進んで一死二三塁、7回裏の守備からセカンドに入っていた平林栄治の左犠飛で3-0とする。
昨年北神商業から内野手として入団した仁科栄三は昭和17年9月14日の大洋11回戦で三番手としてプロ入り初登板、今季もここまで2度リリーフで登板しているがこの日が初先発。初回、先頭の石丸藤吉を四球で歩かせるが、岩本を三ゴロに打ち取り石丸藤吉は二封、古川清蔵のサードライナーに一走岩本が戻れずダブルプレー。2回は一死後吉田猪佐喜に三塁内野安打を許すが、芳賀直一を投飛、藤原鉄之助を投ゴロに打ち取る。3回は三者凡退。
4回、一死後古川に四球を与えると二盗を決められ、小鶴誠も歩かせて一死一二塁、ここも吉田を左飛、芳賀を遊ゴロに打ち取る。
5回、先頭の藤原に中前打を許し、金山次郎に送られて一死一二塁、しかし森井茂を三ゴロ、トップに返り石丸藤吉を遊ゴロに打ち取る。6回は三者凡退に抑えてここまで無失点。
7回表に先取点をプレゼントされたその裏、先頭の吉田を四球で歩かせ、芳賀の一ゴロで吉田は二進してスコアリングポジションに走者を背負うが、藤原を捕邪飛、金山を左飛に打ち取りここも無失点。8回は三者凡退。
9回、二死後吉田に中前打を許すが、最後は芳賀を中飛に打ち取り逃げ切る。
仁科栄三は3安打4四球1三振、プロ入り初先発を完封で飾った。プロ生活で唯一の完封勝利である。
仁科の母校北神商業(現・神戸市立兵庫商業高等学校)は昭和15年、夏の甲子園に出場し、このチームから野本良雄、高柳常治、仁科栄三の3人がプロ入りしている。「Wikipedia」によると、市立兵庫商業は野球の名門「市神港」(神戸市立神港高等学校)と再編・統合され、2018年3月に廃校となる予定とのことで、その後は仁科栄三は、二出川延明、山下実、山口高志などと共に、「市神港OB」として紹介されることとなる予定である。
*昭和15年甲子園出場時の北神商業ナイン(全国高等学校野球選手権大会50年史より)。仁科栄三は投手だった。
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