１７年 阪急vs阪神 ４回戦

4月29日 （水） 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 計
2 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0   0   0   0   0   0  2 阪急 12勝6敗 0.667 森弘太郎
2 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0   0   0   0   0 1X  3 阪神   8勝9敗1分 0.471 若林忠志

勝利投手 若林忠志 4勝4敗
敗戦投手 森弘太郎 4勝2敗

勝利打点　高山泰夫　1


高山泰夫、代打サヨナラ押出し四球

　第一試合は林安夫と神田武夫の若手投手による投手戦であったが、第二試合は若林忠志と森弘太郎の両ベテランが見事な投げ合いを見せた。　

　阪急は初回、先頭の中島喬の二ゴロをいきなりセカンド松本貞一がエラー、フランク山田伝の左前打で無死一二塁、黒田健吾の二ゴロの間に二者進塁、山下好一は投ゴロに倒れて二死二三塁、ここで森田定雄が中前に快打を放ち二者を迎え入れ2点を先制する。

　阪神は1回裏、一死後松尾五郎がライト線にヒット、カイザー田中義雄の投ゴロの間に松尾は二進、土井垣武が左前にタイムリーを放ち1-2、松本の右前打で二死一三塁、若林が左前に同点タイムリーを放って2-2とする。

　初回に点が入ったが、2回以降無得点が続く。

　阪急は4回、先頭の山下好一が右翼線ヒットで出塁するが続く森田は三振、このスリーストライク目にキャッチャー田中が一塁牽制、山下好一がタッチアウトとなってダブルプレーが記録される。山下好一に盗塁失敗は記録されていない。直後に日比野武が中前打を放つが上田藤夫は捕飛に倒れて無得点。

　阪神は4回裏、先頭の土井垣が三塁に内野安打、松本が送って一死二塁とするが、若林は捕邪飛、大島武は投ゴロに倒れて無得点。

　阪神は6回、先頭の田中が左前打で出塁して代走に三輪裕章を起用、しかし土井垣の三ゴロは「5-4-3」と渡ってダブルプレー。

　阪急は8回、一死後山田が中前打から二盗を決めるが黒田は三ゴロ、山下好一は右飛に倒れて無得点。

　阪神は8回裏、一死後塚本博睦がレフト線にヒット、松尾の右前打で塚本は三塁を陥れ、松尾も二盗を決めて一死二三塁の大チャンス、しかし玉置玉一に代わる代打御園生崇男は三振、土井垣も投ゴロに倒れて無得点。

　阪神は9回裏、先頭の松本が三前にセーフティバントを決めるが若林の強攻策が裏目に出て「1-6-3-」のゲッツー。

　阪神は10回裏、一死後乾国男が三塁線に痛烈な当たりを放つがサード黒田が横っ飛びで抑えて一塁アウト、このプレーはスコアカードに山内以九士の自筆で「ベース寄 好守」と書かれておりファインプレー賞が贈られた。

　阪急は12回、先頭の上田藤夫がライト線にヒット、中村栄が送って一死二塁、森の二ゴロで二死三塁、しかしトップに返り中島は中飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

　阪神は13回裏、二死後塚本が四球を選んで出塁すると二盗に成功、松尾の左前打で塚本は自重し二死一三塁、御園生は二ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

　阪急は14回、先頭の森田の三ゴロをサード乾が一塁に悪送球して森田は二塁に進み、日比野は歩かされて無死一二塁、しかし上田藤夫のファーストライナーに一走日比野が飛び出しゲッツー、中村は遊飛に倒れてこの回も無得点。

　阪急は16回、先頭の黒田が左前にヒット、山下好一が送って一死二塁、森田は中飛に倒れて二死二塁、日比野が四球を選んで二死一二塁、しかし上田藤夫は二ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

　阪神は17回裏、一死後若林の遊ゴロをショート中村が痛恨のエラー、仁科栄三の二ゴロをセカンド上田藤夫が二塁に送球するがセーフ、野選が記録されて一死一二塁、野口昇が左前打を放って一死満塁、ここで若林忠志監督は渡辺誠太郎に代えて代打に高山泰夫を起用、高山が押出し四球を選んで三走若林監督が自らサヨナラのホームを踏んで激闘に決着をつける。


　若林忠志は17回を完投して10安打5四球6三振、4勝目をあげる。

　森弘太郎は16回3分の1を完投して13安打4四球4三振であった。


　阪急は16回まで無失策であったが、17回裏に中村栄が犯したこの日唯一のエラーが致命傷となった。


　17回裏に一死満塁で代打に起用されてサヨナラの押出し四球を選んだ高山泰夫は岐阜商業時代から勝負度胸の良さで知られている。三塁ベース上に立っていた若林忠志監督も知っていたようです。










＊若林忠志と森弘太郎の投げ合い。若林は236球、森は202球を投げています。

＊10回裏、乾国男の三塁線の当りをサード黒田健吾がファインプレー。スコアカードには「ベース寄 好守」と書かれています。

＊延長17回の激闘を伝えるスコアカード。