5月4日 (月) 甲子園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 南海 15勝7敗 0.682 川崎徳次
2 0 0 0 0 0 0 0 X 2 巨人 15勝6敗 0.714 中尾輝三
勝利投手 中尾輝三 6勝3敗
敗戦投手 川崎徳次 3勝3敗
二塁打 (南)岩本 (巨)楠、呉、中島
勝利打点 川上哲治 2
首位交代
首位を行く南海と半ゲーム差で追う巨人との首位攻防戦は川崎徳次と中尾輝三の先発で午後3時19分、川久保喜一主審の右手が上がりプレイボール。
巨人は初回、先頭の白石敏男が四球を選ぶと二盗に成功、水原茂の右前打で無死一三塁、続く楠安夫の打席で三走白石が「2-4-5」でタッチアウト。ここは水原がディレードスチールを仕掛けたがセカンドの北原昇が巧く水原を一塁方向に追い詰めながらスタートの機会を窺う白石を刺したと見るのが妥当でしょう。水原が二塁に進んでいないところに北原の野球センスを感じるのは当ブログだけでしょうか。しかし楠が右中間に二塁打を放って一死二三塁、川上哲治の左犠飛で1点を先制、中島治康が中前にタイムリーを放って2-0とする。
5回まで無得点の南海は6回、先頭の川崎が中前打で出塁、トップに返り国久松一が三前に送りバントを試みるがサード水原が二塁に送球して一走川崎を二封、猪子利男は右飛に倒れて二死一塁、北原が死球を受けて二死一二塁、岩本義行のレフト線二塁打で1点返してなお二死二三塁、中尾は岡村俊昭を敬遠して二死満塁、柳鶴震が右飛に倒れて1点差止まり。
南海は8回、先頭の国久が中前打で出塁、猪子が送りバントを決めて一死二塁と一打同点のチャンス、しかし北原は左飛、岩本は三振に倒れてスリーアウトチェンジ。
南海は9回、先頭の岡村が四球で出塁し最後の反撃を試みるが、柳は右飛、中野正雄の二ゴロが「4B-3」と渡ってダブルプレー、巨人が逆転首位に立った。
中尾輝三は粘りのピッチングを見せて6安打4四球1死球5三振の完投で6勝目をあげる。
首位攻防戦らしく両チームノーエラーの好ゲームであった。
南海は6安打を放ち4四球1死球を得ながら1得点で6残塁であった。11人走者を出しながら1得点だと10残塁になるが、3つの併殺と1つの盗塁失敗があったため6残塁に過ぎなかったのである。
当ブログは神田武夫を温存したことが南海の敗因であったと見る。巨人6回の攻撃、一死満塁の場面で川崎をリリーフした神田は白石を三振、水原を「1-6-3」のゴロに打ち取った。これは水原のピッチャー強襲の当りに飛びつきグラブに当てた打球をショート猪子がバックアップして一塁に水原を刺したものでしょう。7回は楠を三振、川上を三飛、中島を遊ゴロに打ち取り、8回は林清一を三振、呉も三振、坂本茂を三ゴロとパーフェクトに抑えている。神田は一昨日の阪急戦で延長13回を投げて完封しており、川崎もその前日の黒鷲戦で好投していることから川崎の先発で行ったが、病み上がりの川崎ではなく、神田の執念に賭けるべきではなかったか。
一方、巨人の勝因は中尾の粘り強い投球と共に、水原の渋い活躍が見逃せない。初回は白石を二塁に置いて右打ちの結果右前打、6回の守備では国久の送りバントにダッシュよく飛び出して一走川崎を二塁に刺している。水原は今シーズン中に応召して65試合しか出場しないが最高殊勲選手賞を獲得することとなる。数字に表れない本日のようなプレーの積み重ねが評価されたものである。
*中尾輝三は粘り強いピッチングで6勝目を飾る。
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