2014年11月24日月曜日

17年 朝日vs名古屋 3回戦


5月2日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   1  1 朝日    8勝12敗 0.400 林安夫
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0  0 名古屋 5勝15敗 0.250 石丸進一

勝利投手 林安夫     4勝6敗
敗戦投手 石丸進一 3勝4敗

二塁打 (名)飯塚
本塁打 (朝)伊勢川 1号

勝利打点 伊勢川真澄 2


白熱の投手戦

 昭和17年の注目投手というとどうしても神田武夫、林安夫、石丸進一となってしまいます。4月29日の南海vs朝日4回戦では神田と林が「白眉の投手戦」を見せましたが、本日は林安夫と石丸進一が「白熱の投手戦」を演じました。


 朝日は初回、先頭の坪内道則は中飛、五味芳夫は三ゴロ、鬼頭政一は二飛に倒れる。

 名古屋はその裏、先頭の木村進一は三振、桝嘉一は中飛、古川清蔵は左飛に倒れる。

 朝日は2回、伊勢川真澄が左飛、広田修三は中飛に倒れるが内藤幸三が四球を選んで出塁、しかし室脇正信の三ゴロで内藤が二封される。

 名古屋はその裏、先頭の飯塚誠がレフト線にヒット、しかし岩本章の三ゴロで飯塚は二封、岩本が二盗を試みるが強肩伊勢川からの送球にタッチアウト、野口正明は遊ゴロに倒れて無得点。

 朝日は3回、先頭の景浦賢一は遊ゴロ、林安夫は右飛、トップに返り坪内は三ゴロに終わる。

 名古屋はその裏、先頭の山下実は二ゴロ、石丸藤吉が四球で出塁するが石丸進一は中飛、トップに返り木村も一ゴロに倒れて無得点。

 朝日は4回、先頭の五味が四球で出塁、石丸進一からの一塁牽制をファースト山下実が後逸する間に五味は二進、鬼頭は捕邪飛、伊勢川は左飛に倒れて二死二塁、ここで五味が三盗を試みるがキャッチャー古川からの送球にタッチアウト。

 名古屋はその裏、桝はセカンドライナー、古川は右飛、飯塚は三振に倒れて三者凡退。

 朝日は5回、先頭の広田の三ゴロをサード木村がエラー、続く内藤は三振、スリーストライク目をキャッチャー古川が一塁に送球して広田はタッチアウト、‟変則三振ゲッツー”が記録される。室脇は三ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

 名古屋はその裏、先頭の岩本は左飛に倒れるが野口正明がレフト線にヒット、しかし林からの牽制球に戻れずタッチアウト、山下実は中飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 朝日は6回、景浦が左飛、林は三ゴロ、坪内も一邪飛に倒れて三者凡退。

 名古屋はその裏、石丸藤吉が遊飛、石丸進一が遊ゴロ、木村も遊ゴロに倒れてこちらも三者凡退。

 朝日は7回、五味、鬼頭、伊勢川と三者連続サードゴロに倒れて三者凡退。

 名古屋はその裏、桝は右飛、古川は左飛に倒れるが、飯塚が左中間に二塁打を放って初めてスコアリングポジションに走者を進めるが、岩本は三ゴロに倒れてこの回も無得点。


 石丸進一は7回まで無安打無失点、4度の三者凡退を記録した。一方、林安夫は3安打無失点、ここまでの勝負は石丸に軍配が上がる。


 朝日は8回、広田は二飛、内藤は一ゴロに倒れるが、室脇が左前にチーム初ヒット、しかし景浦は二直に倒れてこの回も無得点。

 名古屋はその裏、野口が中飛、山下実は二飛、石丸藤吉が中前打を放って二死一塁、しかし石丸進一は三ゴロに倒れる。

 朝日は9回、先頭の林の三ゴロをサード木村がこのひ2つ目のエラー、トップに返り坪内が捕前に送りバントを決めて一死三塁と絶好のチャンスを迎える。名古屋ベンチはここでサードの木村をショートに回し、ショートの飯塚をセンターに回し、センターの桝に代わって吉田猪佐喜が入ってレフト、レフトの岩本に代わって芳賀直一入ってサードと守備陣を大幅に入れ替える。ここはサードに芳賀を入れて守備を固めることが目的でしょう。木村進一を代えずにショートに回しているところが注目ポイントです。一死三塁から五味が放った打球はサードライナーとなって二死三塁、鬼頭は中飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 名古屋は9回裏、先頭の木村が三振、吉田は遊ゴロ、古川は二飛に倒れてスリーアウトチェンジ、「白熱の投手戦」は延長戦にもつれ込む。


 朝日は10回、伊勢川が中飛、広田が遊ゴロに倒れるが、内藤が中前打を放って出塁、しかし室脇は二飛に倒れて無得点。

 名古屋は10回裏、先頭の飯塚が猛打賞となる左前打、芳賀は三振、飯塚が二盗を試みるが又も伊勢川が刺してピンチの芽を摘む。野口は三ゴロに倒れてこの回も無得点。

 朝日は11回、景浦は中飛、林は三直、坪内は捕邪飛に倒れて三者凡退。

 名古屋は11回裏、山下実は一ゴロ、石丸藤吉は二ゴロ、石丸進一は中飛に倒れて三者凡退。

 朝日は12回、先頭の五味は二飛、鬼頭が遊ゴロに倒れて二死無走者、ここで伊勢川がレフトスタンドに決勝ホームランを叩き込み遂に1-0とする。

 名古屋は12回裏、先頭の木村は捕邪飛、吉田猪佐喜は三振、最後は古川が三邪飛に倒れてゲームセット。林は最後まで球威が衰えなかった。


 決勝の本塁打を放った伊勢川真澄は守備でも2つの盗塁を刺して力投を続ける林を援護した。


 林安夫は延長12回を5安打1四球5三振に抑えて今季3度目の完封、4勝目をマークする。


 神田武夫も延長12回を完投、3安打2四球1三振の好投を見せたが伊勢川の一発に泣いた。神田の被本塁打は今季4本目で、現在本塁打配給王となっている。神田の球質は軽かったと認定せざるを得ないでしょう。








*林安夫と石丸進一による「白熱の投手戦」を伝えるスコアカード。

















 

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