１７年 阪神vs阪急 ３回戦

4月26日 （日） 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 阪神   6勝9敗1分 0.400 渡辺誠太郎 若林忠志
0 0 0 2 0 0 0 0 X 2 阪急 12勝4敗 0.750 森弘太郎

勝利投手 森弘太郎     4勝1敗
敗戦投手 渡辺誠太郎 1勝1敗

二塁打　（神）松尾、土井垣　（急）森

勝利打点　森弘太郎　1

ファインプレー賞　（急）フランク山田伝　1


森弘太郎、投打に活躍

　阪神先発・渡辺誠太郎の前に3回まで無安打に抑えられてきた阪急は4回、二死後上田藤夫が左前打で出塁、中村栄が三前にセーフティバントを決めて二死一二塁、ここで森弘太郎が中越えに二塁打を放ち二者還って2点を先制する。

　阪神は5回から二番手として若林忠志を投入、若林は7回まで三者凡退に抑え、8回も1四球を与えただけで無安打ピッチング。

　阪神は9回、一死後松尾五郎の三ゴロをサード黒田健吾が一塁に悪送球して松尾は二塁に進み、カイザー田中義雄は捕邪飛に倒れるが、土井垣武がレフト線に二塁打を放ち1点返してなお二死二塁、しかし御園生崇男は中飛に倒れて万事休す。

　森弘太郎は4安打1四球1三振1失点、自責点ゼロの完投で4勝目をあげる。4回には自ら決勝の2点タイムリー二塁打を放って勝利打点も記録した。


　昭和17年3月15日発行「野球界」第6号に掲載されている「春の争覇戦展望」には「森が肩を壊している」と書かれている。昭和16年後半の新聞記事には「肘を痛めている」と書かれています。ピッチャーの故障はまず肘にきて、肘を庇いながら投げているうちに肩にくると言われます。そして肩までくると回復は難しいとも言われています。もはや森の肩は回復不能な状態なのでしょか。昭和15年に28勝、16年に30勝をあげた森弘太郎は今季は19勝に終わり、プロ通算112勝のうち約70％に相当する77勝を3年間で記録することになります。戦後の復活がなかった理由は、手榴弾ではなく全盛期の登板過多による故障が原因でしょう。







＊森弘太郎はちょうど100球で4安打完投、4勝目をあげる。

＊7回に土井垣武が放った大飛球をセンターフランク山田伝がファインプレー。山内以九士の字は読みにくいのですが「背走しながら好捕」と書かれているようです。