2025年6月24日火曜日

22年 太陽vs東急 6回戦

7月4日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 0 0 3 0 0 4 太陽 17勝28敗1分 0.378 藤村隆男 井筒研一
5 0 0 0 0 0 0 0 X 5 東急 17勝26敗1分 0.395 北川桂太郎 黒尾重明 白木義一郎

勝利投手 黒尾重明 5勝7敗 
敗戦投手 藤村隆男 1勝2敗 
セーブ     白木義一郎 4

本塁打 (東)長持栄吉 1号

勝利打点(東)大下弘 6

猛打賞 (太)伊勢川真澄 3


長持栄吉の満塁弾で東急5連勝

 第12節2日目、後楽園の第1試合は藤村隆男と北川桂太郎の先発で午後1時3分、池田球審の右手が上がりプレイボール。

 東急は初回、先頭の一言多十が左前打で出塁、鈴木清一はストレートの四球、飯島滋弥も四球を選んで無死満塁、大下弘の右前タイムリーで1点を先制、長持栄吉がレフトスタンドに満塁ホームランを叩き込んでノーアウトで5点を先制する。

 太陽は2回から井筒研一が二番手として登板。井筒は9回まで3安打無失点の好投を見せる。
 太陽は3回表、先頭の辻井弘が四球で出塁、一死後森下重好の三ゴロをサード大沢清がエラー、佐竹一雄が死球を受けて一死満塁、東急ベンチは北川から黒尾重明にスイッチ、伊勢川真澄の中犠飛で1点返して1-5とする。

 太陽は7回表、ここも先頭の辻井が四球で出塁、藤井勇の右前打で無死一二塁、一死後佐竹の左前打で満塁、伊勢川が左前に2点タイムリーを放ち3-5、平野徳松の遊ゴロで伊勢川が二封されて二死一三塁、松井信勝の左前タイムリーで4-5と1点差、井筒が四球を選んで二死満塁、トップに返り荒川昇治のカウントがノーストライクツーボールとなったところで東急ベンチは黒尾に代えて白木義一郎を三番手のマウンドに送り込み、白木が荒川を三振に打ち取りピンチを切り抜ける。

 白木は8回、9回を三者凡退に抑えて今季4個目のセーブをあげる。セーブ数では大阪の武智修と並んでいたが単独トップに立った。

 好調東急はこれで5連勝と勢いが止まらない。

 勝利打点を記録したのは大下弘であったが、この試合の殊勲者が満塁弾の長持栄吉であったことは誰の目にも明らかだろう。

 長持は空母「翔鶴」で高射砲の射手であったが、マリアナ沖海戦で「翔鶴」が撃沈されるとフカが泳ぐ重油まみれの海に投げ出されながら生き延びて、戦後になってプロ野球に参入した。第10節殊勲賞、第11節敢闘賞と絶好調で「野球」」ができる喜びを噛み締めている。長く強打者としてプロの世界を生き抜いた後は高校野球の指導者となり、大宮工業では好投手吉沢(後に慶大に進んで三塁手)を擁してセンバツ初出場初優勝、その後も埼玉栄や浦和学院の指導者として埼玉県高校野球界の発展に貢献することになる。

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