2020年2月10日月曜日

21年 セネタースvs阪急 4回戦


6月20日 (木) 後楽園 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 セ軍 10勝20敗 0.333 今西錬太郎 
0 2 1 0 0 0 2 1 X 6 阪急 19勝12敗 0.613 黒尾重明 

勝利投手 今西錬太郎 1勝0敗
敗戦投手 黒尾重明     4勝6敗 

二塁打 (セ)一言 (急)今西
本塁打 (セ)大下弘 2号

勝利打点 (急)日比野武 3


今西錬太郎、プロ入り初勝利

 後楽園の第1試合は午後1時8分、島主審の右手が上がりプレイボール。

 審判は島、桝、国友の三氏。国友正一審判員のデビュー戦となった。関東の審判はシーズン当初は池田、島の二氏で回していたところに桝嘉一が加わり、以降はここまで全て三氏で回してきた。主審は池田と島だけが務めている。国友が加わり体制が整ってきた。


 阪急の先発はプロ入り3度目の登板にして初先発となる今西錬太郎。今西は内野手登録であるが、プロデビューは4月28日のタ軍戦でのリリーフ登板。5月27日のグ軍戦で6回からセカンドに入ったのがここまで唯一の野手での出場で、代打も無い。6月14日のセ軍戦で2度目のリリーフ登板、この日が初先発となった。「Wikipedia」にはこの日が「プロ初登板」と書かれている(2020年2月10日現在)が、例によって間違いである。


 阪急は2回裏、先頭の三木の当りは三ゴロ、これをサード飯島が一塁に悪送球、野口明は右前打、下社は四球を選んで無死満塁、日比野の右犠飛で1点を先制、野口明もタッチアップから三塁に進んで一死一三塁、ここで一走下社がディレードスチール、キャッチャー熊耳が二塁に送球すると下社は一塁に戻り、セカンド横沢は三走野口明を牽制しながら下社を追って、結局下社が一塁ベースに戻って一死一三塁で試合再開、ここで今西がプロ入り初ヒットとなるタイムリー二塁打をライト線に放ち2-0とする。


 阪急は3回裏、一死後青田の当りは右翼への飛球、これをライト長持が落球、三木の遊ゴロをショート石原光男もエラーして一死一二塁、野口明の遊ゴロは「6-4-3」と転送されるが二塁アウトだけで一塁はセーフ、この隙をついて二走青田が三塁ベースを蹴って一気にホームインして3-0とする。


 プロ入り初先発の今西は、初回、先頭の一言多十の三前セーフティバントをサード三木が巧く捌いて一塁アウトにすると調子の波に乗り、続く白木、飯島を連続三振。ここから5回まで三者凡退を続けて、プロ入り3試合目の登板にしていきなり史上初の「完全試合」を期待させるピッチング。15人目の長持の記録は「投邪飛」、一塁線への小飛球に今西が飛び付いたようだ。さすがは内野手。


 セ軍は6回表、先頭の石原は三振、熊耳も右飛に倒れて17人連続アウト、横沢七郎がスリーボールツーストライクから四球を選んで初走者、トップに返り一言がライト線に初ヒットとなる二塁打、二死二三塁から白木は捕邪飛に倒れてスリーアウトチェンジ。今西の「完全試合」及び「無安打無得点」の夢は潰えた。


 セ軍は7回表、一死後大下がライトスタンドに第2号ホームランを叩きこんで1-3とする。今西のプロ入り初失点は大下の本塁打であった。


 阪急は7回裏、先頭の上田が中前打で出塁、一死後青田の三ゴロの間に上田は二進、三木の三ゴロをサード飯島が一塁に悪送球する間に上田が還って4-1、打者走者の三木は二塁に進み、野口明の中前タイムリーで5-1と突き放す。


 阪急は8回裏、日比野、今西の連打で無死一二塁、尾西の遊ゴロ併殺で二死三塁、トップに返り上田はストレートの四球、山田伝の遊ゴロをこの回からショートに入った鈴木清一がエラーする間に三走日比野が還って6-1とダメ押す。


 セ軍は6エラー、守備に足を引っ張られた黒尾重明は完投して6失点であったが自責点は1であった。


 今西錬太郎はセ軍最終回の攻撃を三者凡退に抑えて、2安打3四球3三振1失点、プロ入り3度目の登板で初勝利をあげる。打っても4打数2安打1打点の活躍であった。この試合から73年後の2019年10月5日、今西錬太郎氏はセ・リーグクライマックスシリーズ第1戦の始球式で往年のアンダーハンドを満員の野球ファンの前で披露した。22歳の血気盛んな青年は、元気な95歳になっていた。

https://www.youtube.com/watch?v=V5I0TYG9hpI


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