2011年7月16日土曜日

14年 金鯱vsセネタース 1回戦

3月20日 (月) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 2 0 0 1 0 0 4 金鯱      1勝0敗 1.000 古谷倉之助 中山正嘉
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 セネタース 1勝1敗 0.500 野口二郎


勝利投手 古谷倉之助 1勝0敗
敗戦投手 野口二郎     0勝1敗
セーブ   中山正嘉   1


二塁打 (金)小林茂、武笠 
三塁打 (金)武笠


金鯱、初陣野口二郎を打ち崩して今季初戦に快勝


 金鯱は初回、先頭の佐々木常助が四球で出塁、五味芳夫は中飛に倒れるが瀬井清四球で一死一二塁、四番小林茂太が中前に先制タイムリーを放ち1-0。古谷倉之助の投ゴロは1-4-3と渡ってダブルプレー。2回はジャイアンツから移籍してきた野村高義が二ゴロ、武笠茂男左飛、浅井太郎二ゴロで三者凡退。3回は岡野八郎が左前打から二盗を決めるが後続無し。


 金鯱は4回、先頭の小林茂が左中間に二塁打、古谷の捕前送りバントをキャッチャー北浦三男が一塁に悪送球して犠打エラーが記録され無死一三塁、野村は三振に倒れるが武笠が右中間に三塁打を放って3-0とする。


 金鯱は7回、先頭の武笠が左前打で出塁、二死後佐々木が右前打、五味が中前にタイムリーを放って4-0とする。


 セネタースは初回は家村相太郎、2回は青木幸造が中前打を放つが3回~5回は三者凡退、6回も家村の四球だけでここまで古谷倉之助に2安打に抑えられる。


 セネタースは7回裏、二死後野口二郎が中前打で出塁、青木右前打、柳鶴震四球で二死満塁、横沢七郎が押出し四球を選んで1-4とする。金鯱・岡田源三郎監督は古谷を限界と判断してファーストに回し、二番手として中山正嘉をリリーフに送る。二死満塁でトップに返り苅田久徳は中山の前に三振に倒れてこの回1点止まり。8回、9回と中山が無安打に抑えて金鯱が今季初戦に快勝する。先制、中押し、ダメ押しと理想的な得点経過であった。


 翌日の読売新聞によると「古谷は直曲球の配合と制球力に近来の出来栄えを示し・・・」とのこと。昨秋は調子を落としていたが久々にのらりくらり投法が冴えを見せた。


 セネタース期待の新人、中等球界の麒麟児・野口二郎がプロ入り初登板。読売新聞によると「流石スピードは豊かであったがその投球は一本調子で決め球を欠き余りにも素直なため・・・百戦錬磨の・・・金鯱打者に狙われ」たとのこと。8回にも古谷のヒット、武笠の二塁打と四球で二死満塁のピンチを迎えるがここは岡野を中飛に打ち取り9回は三者凡退で締めた。六番打者として7回の第三打席では通算830安打の1本目となる中前打を放った。通算237勝139敗の最初の試合は黒星スタートとなった。




 野口二郎著「私の昭和激動の日々」(野口二郎の自伝)ではこの試合を次のように振り返っている。「投手としての初陣は、・・・後楽園の対金鯱戦だったが、1対4で負けた。・・・やはり大人を相手にしている、という感じを受けたことを記憶している。初登板はとにかく打たれた、という印象が残っている。平静のつもりだったが、やはり力んでいた・・・・力んだわりにはスピードがなかった。・・・コントロールとか、バッターのタイミングを狂わすという投球を考えることは二の次になったしまった。・・・とにかくヒットを10本くらい打たれた。特に武笠という人に、4の3打たれた。もうどこに投げても打たれるような気持だった。」


 武笠茂男はこの日4打数3安打2打点、二塁打1本、三塁打1本である。野口二郎は9回を完投して9安打3四球5三振4失点、自責点3の成績であった。



          *野口二郎のデビュー戦を伝えるスコアブック





               *打順は六番

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