12月2日 (金) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 1 1 2 0 4 タイガース 4勝0敗 1.000 若林忠志 御園生崇男
0 0 1 0 0 0 0 1 0 2 ジャイアンツ 0勝4敗 0.000 川上哲治 水原茂
勝利投手 若林忠志 1勝0敗
敗戦投手 川上哲治 0勝1敗
セーブ 御園生崇男 1
二塁打 (タ)田中 (ジ)白石2、中島
本塁打 (タ)松木 1号、景浦 1号
松木、景浦のアベックホームランでタイガースが二年連続日本一
三連敗と後の無いジャイアンツは何と川上哲治の先発で目先を変えてきた。一方タイガースはローテーション通り若林忠志が先発。タイガースは三試合四番に藤村富美男を起用してきたが四戦目にして景浦将を四番に起用する。
ジャイアンツは3回、一死後永澤富士雄が中前打で出塁、トップに返り白石敏男が右翼線に二塁打を放って一死二三塁、三原脩が中犠飛を打ち上げて1点を先制する。
川上は5回までタイガース打線を3安打無得点に抑える巧投を見せる。
タイガースは6回、一死後皆川定之が中前打で出塁、トップに返り松木謙治郎の右前打で一死一三塁、本堂保次が中犠飛を打ち上げて1-1の同点に追い付く。
タイガースは7回、景浦一飛、藤村遊ゴロで二死無走者、川上は強打者二人を打ち取って気が緩んだのか伊賀上良平がワンスリーから四球を選んで出塁、続く若林もワンスリーから四球を選び二死一二塁、カイザー田中義雄が左翼線にタイムリー二塁打を放って2-1と逆転する。ジャイアンツベンチはここで川上をファーストに下げて水原茂をマウンドに送るがこの交代は遅きに失したと言えよう。皆川は中飛に倒れてスリーアウトチェンジ。
リードを奪ったタイガースは7回から先発の若林に代わって御園生崇男が三連投。
タイガースは8回、この回先頭の松木がライトスタンドにホームランを叩き込んで3-1、二死後景浦がレフトスタンドにホームランを叩き込んで3-1とリードを広げる。松木、景浦のアベックホームランは昭和12年以降では12年秋季11月15日のライオン7回戦、13年春季5月14日のセネタース1回戦に続いて三度目のこととなる。1回目は同じイニングでのホームラン、2回目は松木が7回、チェンジとなって景浦は8回に放っており、今回も同じイニング、全て同じ打順での出来事である。松木は3試合とも一番、景浦は三試合とも四番で連続ホームランにはならないが、どうやら松木が打つと景浦は狙って打っているようである。景浦は狙えばいつでもホームランを打てるとも言われている。松木は自著で昭和25年にタイガースの監督に就任した時、二リーグ分裂で主力を毎日に抜かれて苦しんでおり、「この当時景浦が帰還して試合に出場する夢をたびたび見たことがある。・・・目が覚めあと彼が激励にきたのか、それとも戦死したくなかったのを訴えにきたのかと考えにふけることもあった。しかし、景浦さえいてくれたらという日頃の願いが、この夢になったのかもしれない。・・・」と述懐している。
ジャイアンツは8回裏、先頭の白石敏男が右中間に二塁打、二死後中島治康が左中間に二塁打を放ち2-4とするが伊藤健太郎に代わる代打平山菊二は左飛に倒れる。
タイガースの9回は水原に三者凡退に抑えられる。ジャイアンツは9回裏、川上三振、前川八郎に代わる代打楠安夫は遊ゴロ、吉原に代わる代打三田政夫が三塁内野安打を放って最後の粘りを見せるが水原が右飛に倒れゲームセットを告げるサイレンが高々と鳴り響き、タイガースが四連勝で二年連続日本一に輝き昭和13年の全公式戦を終了する。
*昭和13年全公式戦の最終試合
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