9月14日 (木) 甲子園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 3 1 1 2 3 0 1 2 13 タイガース 45勝22敗2分 0.672 若林忠志
2 0 2 0 0 1 0 0 0 5 金鯱 26勝41敗2分 0.388 鈴木鶴雄 内藤幸三 古谷倉之助 磯部健雄
勝利投手 若林忠志 15勝4敗
敗戦投手 古谷倉之助 6勝13敗
二塁打 (タ)皆川、伊賀上
三塁打 (タ)門前2
本塁打 (タ)富松 2号
富松信彦、第2号ホームラン
金鯱は初回、先頭の五味芳夫が右前打で出塁、濃人渉が投前に送りバントを決めて野村高義四球で一死一二塁、小林利蔵の遊ゴロをショート皆川定之がエラーする間に五味が還って1点を先制、小林茂太の三塁内野安打で一死満塁、瀬井清の中犠飛で2-0とする。
タイガースは2回、先頭の景浦将が左前打で出塁、二死後富松信彦が右翼スタンドに同点ツーランを叩き込んで2-2、皆川が中越えに二塁打、伊賀上良平が右翼線に逆転二塁打を放って3-2として金鯱先発の鈴木鶴雄をKOする。
タイガースは3回、金鯱二番手の内藤幸三から松木謙治郎が四球を選んで出塁、ジミー堀尾文人の遊撃内野安打で無死一二塁、景浦の遊ゴロで堀尾が二封されて一死一三塁、門前真佐人の左犠飛で4-2とする。
金鯱は3回裏、先頭の濃人が中前打で出塁、一死後濃人の二盗と小林利蔵の四球で一二塁、小林茂太が左前にタイムリーを放って3-4、レフト富松からの返球を中継したサード伊賀上良平の悪送球の間に二者進塁して一死二三塁、瀬井が二打席連続犠飛となる右飛を打ち上げて4-4の同点に追い付く。
ここまではシーソーゲームであったが中盤戦以降はタイガース打線が打ちまくった。
タイガースは4回、一死後皆川が中前打で出塁、伊賀上が四球を選んで一死一二塁、金鯱はここで三番手として古谷倉之助がマウンドに上る。内藤は3年振りに戦場から戻ってきて2度目の登板となったがまだ体力が回復していないようである。トップに返り本堂保次が左前にタイムリーを放って5-4と勝ち越す。
タイガースは5回、先頭の景浦が四球を選んで出塁、門前が中越えに三塁打を放って6-4、一死後富松の三塁内野安打で門前が還って7-4とする。
タイガースは6回、松木が右前打、堀尾が左前打、一死後門前が左中間に二打席連続三塁打を放って9-4、若林忠志の左犠飛で10-4とリードを広げる。
金鯱は6回、古谷が左前打を放つと代走に岡野八郎を起用、長島進が中前打、佐々木常助の投ゴロの間に二者進塁し、五味が四球を選んで一死満塁、濃人の中犠飛で5-10とする。
タイガースは8回、一死後門前が死球を受けて出塁、代走に小林吉雄を起用、若林が中前打を放って一死一二塁、富松の遊ゴロで若林が二封されて二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて小林が生還し11-5とする。
タイガースは9回、先頭の伊賀上が右前打で出塁、本堂の投ゴロでランナーが入れ替わり、松木のピッチャー強襲ヒットで一死一二塁、堀尾の左前タイムリーで12-5、カイザー田中義雄の三塁内野安打で松木が還って13-5として大勝する。
若林忠志は9安打6四球2三振の完投で15勝目をあげる。タイガースは18安打で13得点、秋季シリーズの出だしでつまずき打線の梃入れのためか若林を六番に起用したが猛打炸裂となった。
8回に代走に起用された山口中学出身・小林吉雄はプロには3年間在籍するが通算9試合、6打数無安打1得点1盗塁の記録を残している。唯一の得点と盗塁が本日記録した富松とのダブルスチールとなったホームスチールである。全得点に占めるホームスチール率10割の記録は、プロ野球史上唯一のものかもしれない。
富松信彦が甲子園球場でオーバーフェンスのホームランを放った。当時の甲子園は両翼110mで右中間と左中間は膨らみをもつ構造となっており、甲子園ではジミー堀尾文人、景浦将、鶴岡一人(2本)に次いで今季5本目のホームランである。
*2回の富松信彦のホームランは翌日の読売新聞に「2回富松が右翼観覧席へ打込んだ本塁打」と明記されています。
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