2012年2月25日土曜日

14年 金鯱vsセネタース 9回戦


9月13日 (水) 甲子園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 3 0 0 0 0 1 4 金鯱      26勝40敗2分 0.394 古谷倉之助
0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 セネタース 37勝28敗4分 0.569 伊藤次郎 野口二郎 浅岡三郎


勝利投手 古谷倉之助 6勝12敗
敗戦投手 野口二郎  25勝15敗


二塁打 (金)小林茂

懸河のドロップ


 3回までセネタース先発の伊藤次郎に抑えられてきた金鯱は4回、先頭の濃人渉が左前打で出塁、続く野村高義の右飛をライト家村相太郎が落球して無死一二塁、セネタースはここでファーストの野口二郎をマウンドに送りライトは森口次郎に交代、ファーストには浅岡三郎が入る。小林利蔵は野口の代わりばなを捕えて中前打を放ち無死満塁、勝負強い小林茂太が左越えにタイムリー二塁打を放って2点を先制、古谷倉之助が右犠飛で続いて3-0とする。

 6回からセネタースの三番手としてマウンドに上った浅岡に無安打に抑えられてきた金鯱は9回、二死後瀬井清が中前打で出塁、長島進の右前打で二死一三塁、エンドランが掛かっていたか、ここでダブルスチールを決めて4-0とする。

 セネタースは9回裏、先頭の苅田久徳が四球を選んで出塁、横沢七郎の左前打で無死一二塁、尾茂田叶の中前タイムリーで1-4、野口の投ゴロで尾茂田は二封されて一死一三塁、佐藤武夫の遊ゴロの間に三走横沢が還って2-4、しかし最後は本日3安打の柳鶴震が遊ゴロに倒れて万事休す。

 古谷倉之助は久々に快投を見せた。初回、先頭の苅田を三振に仕留めると波に乗り、8回まで柳に許した3安打のみで無失点、9回に2点を奪われたが5安打2四球4三振の完投で6勝目をあげる。


 古谷倉之助の「のらりくらり投法」を翌日の読売新聞は「懸河のドロップと外角を綺麗に切るカーブ、それにインシュート・ボールを交える多種多様の球質を巧みに配合して・・・投げ勝った金鯱古谷の快投は老巧投手としての本領を遺憾なく発揮し・・・」と伝えている。


 4打数3安打とセネタースで一人気を吐いた柳鶴震は1940年にシーズン最多失策の記録を樹立することとなりプロ野球史上最もエラーの多い野手のようですが、強肩と時折見せる強打でショートのポジションを守っている。大和球士著「真説 日本野球史」昭和篇その三に「柳鶴震・・・桐生中、好打、肩の強さでは南海の国久に次ぐ。強肩では関東代表。」と紹介されています。





*懸河のドロップを武器とする「のらりくらり投法」の古谷倉之助は5安打完投で6勝目をあげる。


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