9月14日 (木) 甲子園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 名古屋 25勝42敗3分 0.373 西沢道夫
0 0 0 0 0 0 0 0 1X 1 ジャイアンツ 48勝18敗2分 0.727 スタルヒン
勝利投手 スタルヒン 31勝10敗
敗戦投手 西沢道夫 4勝7敗
三塁打 (ジ)中島
スタルヒンが完封、中島治康がサヨナラ打
スタルヒンは9回まで名古屋打線を散発5安打に抑えて完封。
ジャイアンツは9回、一死後白石敏男が四球で出塁、水原茂が左前打で続いて一死一二塁、千葉茂は二飛に倒れて二死一二塁、中島治康が左前にサヨナラ打を放ってジャイアンツが打っ棄る。
翌日の読売新聞によると「スタルヒンの剛速球に織込む緩曲球の配合は名軍打棒を完全に抑え」とのこと。スタルヒンは5安打6四球2三振の完封で31勝目をあげる。6回に先頭の石田政良が左前打、大沢清を右飛に打ち取り加藤正二は三振、石田が二盗を決めると三浦敏一四球で二死一二塁、中村三郎から三振を奪う。結局奪三振はこの回の2個だけであった。チェンジ・オブ・ペースを駆使して打ち取っていったようです。この日のピッチングにこの年スタルヒンが42勝をあげることができたヒントが隠されています。剛速球一本やりで抑え込むピッチングでは無く、スタミナ配分を考えたピッチングをしていることがうかがえます。
西沢道夫については「一方名軍西沢も鋭く切れ込むカーブと大きく落ちるドロップで巨人軍の進撃を阻み・・・」とのこと。当ブログでは以前から西沢はカットボールを投げていたのではないかと推測しているとお伝えしてきていますが、本日の読売新聞の記述からもカーブ(当時はドロップ)以外に小さく速く変化するボールを投げていたことがうかがえます。西沢を「カットボールの元祖」とする仮説は当っている可能性があります。
西沢は8回3分の2を投げて7安打9四球1三振。コントロールが乱れたというよりはピンチを敬遠で凌いできたようで、翌日の読売新聞は「西沢が強打者揃いの後続を或は敬遠し或はカーブで凡退せしめた場面は手に汗を握らせた。」と伝えています。4回は先頭の中島が左中間に三塁打、川上哲治を遊飛に打ち取るとアチラノ・リベラ(アデラーノ・リベラ)と平山菊二は四球、吉原正喜は三邪飛、スタルヒンを投ゴロに打ち取る。8回も先頭の千葉に四球を与え中島の内野安打にエラーが絡んで無死二三塁のピンチを迎えたが川上を二ゴロ、リベラを遊ゴロに打ち取り平山を歩かせて吉原を三振に仕留める。吉原正喜は前節週間MVPに輝いたように絶好調であるが、ジャイアンツ強力打線においては弱点と見られているようで、西沢はリベラ、平山との勝負を避けて吉原で切っている。
ジャイアンツはシーズン前半は川上の猛打で勝ち進んできたが、後半になると川上が調子を落とし、前半戦は不振に喘いでいた中島が後半になって調子を上げてきた。ちょっと隙が見当たらず、首位固めに入ったと見てよい。
*スタルヒンは名古屋打線を5安打に抑えて今季七度目の完封勝利を飾る。
*中島治康は4打数3安打三塁打1本、5塁打1打点で9回裏サヨナラヒットを放つ。
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