9月12日 (日) 西宮
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 5 0 0 0 6 南海 22勝35敗1分 0.386 別所昭
0 1 0 0 0 0 0 2 0 3 大和 25勝29敗4分 0.463 石田光彦
勝利投手 別所昭 14勝16敗
敗戦投手 石田光彦 8勝8敗
二塁打 (南)猪子、鈴木 (和)木村
勝利打点 猪子利男 2
猛打賞 (南)猪子 3(和)木村 4
猪子利男が勝利打点と猛打賞
南海は初回、先頭の猪子利男がいきなりレフト線に二塁打、鈴木秀雄が投前に送りバントを決めて一死二塁、岡村俊昭の中犠飛で1点を先制する。
大和は2回、先頭の高橋吉雄が中前打で出塁、鈴木秀雄が一前に送りバントを決めて一死二塁、小松原博喜は捕邪飛に倒れるが、石田光彦の左前タイムリーで1-1の同点に追い付く。
南海は3回、先頭の荒木正が四球を選んで出塁、長谷川善三の初球送りバントはファウルとなって失敗、そこからボールが3つ続いて強攻策に切り替えるがツースリーから捕邪飛、これをキャッチャー鈴木秀雄が落球、鈴木にはエラーが記録されて長谷川は命拾い、ところが次の投球を長谷川は二ゴロ、この打球が一走荒木に当たって守備妨害、トップに返り猪子の打席で長谷川が二盗を試みるが強肩鈴木秀雄からの送球にタッチアウトとなって失敗、猪子が三前にセーフティバントを決めるが、ピッチャー石田からの牽制にタッチアウト。ファウルフライエラーと守備妨害と盗塁失敗とバントヒットと牽制刺が同一回に起きる珍しいイニングとなった。世界野球史上唯一の可能性が高い。
南海は6回、先頭の荒木がストレートの四球で出塁、長谷川が送りバントを決めて一死二塁、トップに返り猪子が中前に勝越しタイムリーを放って2-1とリード、鈴木芳太郎のライト線二塁打で猪子が還り3-1、送球の間に鈴木は三塁に進み、岡村の中前タイムリーで4-1、中野正雄の左前打で一走岡村は三塁に進み、送球の間に打者走者の中野も二塁に進んで一死二三塁、別所昭の遊ゴロの間に三走岡村が還り5-1、堀井数男の三塁内野安打で三走中野が還って6-1とリードを広げる。
大和は8回、先頭の杉江文二に代わる代打呉新亨が四球を選んで出塁、トップに返り岡田福吉の打席で呉が二盗に成功、岡田は三振に倒れるが、木村孝平がこの日3安打目となるタイムリー二塁打をレフト線に放って2-6、金子裕の一ゴロの間に二走木村は三進、小島利男のピッチャー強襲ヒットで木村が還り3-6まで追い上げるが反撃もここまで。
別所昭は6安打2四球4三振の完投で14勝目をマークする。
南海の核弾頭、猪子利男が4打数3安打2得点1安打で勝利打点と猛打賞を記録した。猪子は戦後、函館太洋倶楽部で都市対抗に出場、昭和24年の日本生命との2回戦は延長14回、10対11で敗れたが、この試合でも一番ショートの核弾頭として出場している。
この日は二番であたが大和の核弾頭、木村孝平も4打数3安打1得点1打点で猛打賞を記録した。函館太洋倶楽部のOB会長を務めて77歳まで生きた猪子とは対照的に、木村は戦没することとなる。没年は不明とのことで、永く「鎮魂の碑」にもその名は刻まれていなかったが、その後の調査により、「木村孝平」の名は2015年に「鎮魂の碑」に銘記されることとなった。
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