2025年8月24日日曜日

最後のストライク

 故・津田恒実の妻晃代著「最後のストライク」がドラマ化されてフジテレビで放映されたのは2000年7月28日のこと。

 主役の岸谷五朗は病身の津田を演じるため1週間で8キロの減量を行って迫真の演技を見せた。津田と同時に殿堂入りした北別府を演じた寺脇康文は無名時代から岸谷とは盟友だったと言う。

 球界等からも多くの出演者が見られた。ドラマ冒頭のシーンでホテルのマネージャー役を演じたのは山本浩二。共に広島出身のフジテレビ福井アナと神田アナがドラマでも実況中継を担当した。

 リリーフ専門の清川栄治の初勝利がかかった試合でリリーフに出た津田が滅多打ちに合って清川の勝利をフイにした晩、何度も清川の部屋を訪れて謝る津田を清川が「もういい!」と怒鳴りつけるシーンは実話に基づくものだった。津田の親友だった清川栄治本人も観客役で出演している。

 最も印象に残る配役は安仁屋コーチを演じた宇崎竜童だった。酒豪で知られる安仁屋が病床の津田を訪れた際、「安仁屋さん、飲み過ぎんように」と津田が呟いたシーンも実話に基づくもの。津田の訃報を聞いた安仁屋コーチが屋台で酔いつぶれて「津田~」と叫ぶシーンはこのドラマのハイライトだった。


 安仁屋宗八は沖縄高校時代、1962年夏は沖縄予選を勝ち抜き南九州大会も制して夏の甲子園に出場した。沖縄代表は1958年にも首里高校が夏の甲子園に出場していたが、この年は記念大会で沖縄代表として出場したもので、南九州大会を勝ち抜いて夏の甲子園に出場したのは安仁屋がエースだった1962年の沖縄高校が初めてのことだった。

 「沖縄高校」は1983年に「沖縄尚学」と改称されて、1999年センバツでは沖縄県勢としては春夏通じて初めての甲子園制覇を達成、2008年のセンバツでは2度目の優勝、そして2025年には夏の甲子園も制覇した。 

*テレビドラマ「最後のストライク」はDVD等の映像化はされておらず、本稿の記述は当時テレビで見た時の記憶に基づくもので、事実関係が相違している可能性がある点ご留意ください。



*津田の親友清川栄治の直筆サイン入りカード。



*沖縄高校出身安仁屋宗八の直筆サイン入りカード。


0 件のコメント:

コメントを投稿